人手不足の昨今、ようやく入った中途採用の社員やパートが、定着せずすぐにやめてしまうことに、困っている会社がたくさんあります。
即戦力でもすぐに成果は出せません!
会社としては、採用や入社後の指導に時間とコストをかけているにもかかわらず、すぐにやめられると、全てが無駄になってしまいます。ただでさえ忙しい中で、採用や業務指導をしていた担当者達の徒労感を思うと、同情してしまいます。
なぜ、中途採用者が定着しないのでしょうか?そもそも人手不足のため、「嫌なら他の仕事を探す」という求職者の姿勢が理由として挙げられます。しかし、求職者の方もすぐにやめようと思って会社に入った訳ではありません。人が定着しないのは、会社側にも問題があるのです。
まずは、中途採用者の実情を勘違いしていることがよくあります。会社側は、中途採用者を「即戦力」としてすぐに仕事ができると考えがちで、既存の従業員と同じように仕事を任せ、ろくにフォローをしないことがあります。しかし、就業経験があるからといって、新しい会社ですぐに成果を出すことは、それほど簡単ではありません。前職とは文化や仕事の進め方が違いますし、成果を出すには社内外のネットワークも必要になってきます。
また、中途採用者は、「わからないことがあれば、なんでも聞いてね」と言われても、忙しそうにしている人達に聞くのがためらわれる、ということもよくあります。周りのみんなは忙しいのに、自分は何もできず、わからないことを聞きたくても聞けず、そうなると中途採用者は職場で孤独を感じ、孤立します。そして、彼らは会社を辞めてしまうのです。
中途採用者が新しい職場に馴染み、実力を発揮するには、職場全体でのサポートや教育、そして一定の時間が必要です。新しい人に定着してもらうには、十分な時間をかけて計画的に指導・育成し、職場全体で中途採用者をフォローできる体制と、心の余裕が必要なのです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 泉が担当しました。
▼泉 仁史(いずみ ひとし)へのご相談(面談)
(2025年6月25日公開)
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