みなさんこんにちは。経営相談室スタッフコンサルタントの田口光春です。
史上初めて延期された東京オリンピック。さらに中止や再延期を含めさまざまな意見が出た中で、ほとんどの会場が無観客で行われ、一世紀に及ぶオリンピックの歴史のなかで極めて異例ずくめの開催となりました。
スポーツも経営もまずは計画から
こうした状況でも、参加できたアスリートの喜びはいかほどかと思いを馳せています。オリンピックという世紀の舞台をターゲットにして鍛錬してきた結果が報われたと思うからです。そして多くのアスリートが開催されたこと自体に感謝の言葉を発していたことに感動を覚えました。
その一方で、本来開催されるはずであった2020年をターゲットにしていたが、1年延期されたことで思い通りのパフォーマンスが発揮できなかった、さらには参加がかなわなかったアスリートのことを思うと気持ちは複雑です。
ここまで考えた時、アスリートの姿と経営がダブったのです。経営も何年か先の姿を思い描き、それに向かって活動していくことだからです。
ただ、経営とはアスリートと違い、目標達成の時期が他者から与えられるものではなく経営者自ら設定して活動することです(もちろんアスリートがその時期を自ら定めることもあります)。
そして目標を自ら設定することはスポーツも経営も同じですが、経営では経営計画や事業計画といわれるもので表現します。何年後にどのような姿で経営しているかを思い描くことが経営計画であり、事業計画です。
これはアスリートが行うトレーニングプランと同じですね。計画もしないで無目的にトレーニングすることとは、間違った肉体を作ってしまうことになりかねません。
経営も同じで、計画、目標が定まっていないと、とんでもない方向に行ってしまいかねないのです。
そして経営では団体競技と同じように、目標の共有化が大事です。
経営者がひとりよがりで目標を持っても、従業員と共有しなければ何の役にも立たないのです。野球、サッカー、ラクビーなど団体競技と全く同じですね。
一流といわれるアスリートはトレーニングプランに従い自らを鍛え、試合に臨んでは鍛錬の結果を検証し、不足する筋力などを確認しプランを絶えず変更しているはずです。この検証と修正こそが成功への鍵です。
経営も同じで、事業の進行具合と計画とのずれを絶えず検証して、なぜずれたのかの原因を追究するとともに、必要に応じて計画そのものを変更するのが基本です。最初に描いた姿をいつまでも守り通すことは間違いです。それはまさにPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)を回すことです。
そうしたPDCAサイクルを実行したアスリートのみが、栄光のオリンピックに参加できているはずです。
今回のオリンピックの1年延期といったように、経営では外的条件で計画を変更せざるを得ないことは常に起こることです。
そうしたことが起きても慌てることなく、柔軟に計画を変更して当初の目的を達成することが経営者の使命ではないでしょうか。
そこには目的を確実に達成するという強い意志が必要なことはもちろんのことです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 田口 が担当しました。
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(2021年8月11日公開)
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