第478回 民間初のロケット発射失敗から経営を考える|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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民間初のロケット発射失敗から経営を考える

  • 民間初の小型ロケット発射は残念な結果であった
  • エジソンの多くの発明は失敗から生み出された
  • 経営することとは決断し振り返ること

民間初の小型ロケット発射は残念な結果であった

皆さんこんにちは。今回のブログ担当の田口です。

成功の鍵は失敗の中に隠れている

成功の鍵は失敗の中に隠れている

本年(2024年)3月13日に日本の民間宇宙ベンチャーである「スペースワン」が打ち上げた小型ロケット「カイロス」が発射後わずか5秒後に自ら破壊装置を作動させ、爆破してしまいました。多くの人たちが期待に胸を膨らませて成功を祈ったものの、残念な結果となってしまいました。
しかし、この結果についてスペースワンの社長は「“失敗”という言葉は使わない。なぜかというと一つ一つの試みの中に新しいデータがあり、経験があり、それらはすべて今後の新しい挑戦に向けての糧と考えている」と話していました。

エジソンの多くの発明は失敗から生み出された

この会見を受けて、多くのマスコミは発明王エジソンの言葉を引き合いに出していました。そのうちの一つが「私は失敗したことはない。ただ、1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」というものです。まさにスペースワンの社長の発言と同じです。あるいは、社長はエジソンのこの言葉を知っていて使われたのかもしれませんね。
このスペースワンの出来事、社長の発言は経営にかかわる人にも深く響いたのではないでしょうか。

経営することとは決断し振り返ること

私の書いた第339回のブログで経営(者)コンサルタントの一倉定氏の言葉、「決断力のない社長は、他にどんな資質を持とうと、才能があろうと、それだけで失格である」を紹介しました。経営者は絶えず厳しい決断に晒されています。
結論を先送りしていては、折角のビジネスチャンスを逃すことになりかねません。まずはその時点で最善と思われる方法、道を選択しなければなりません。しかし、その選択全てが決して正しいわけではありません。間違っていると自覚した時点で、軌道修正することが大切です。
社長として決断したからといった変なプライドは持つべきではありません。しかし、なぜその決断が失敗であったかは、きちんと検証することが大切です。
また、なんとなくうまくいったときこそ振り返って、「なぜうまくいったか」を検証しなければなりません。結果だけに注目していると、成功のカギがどこにあるのかを見失いがちです。なんとなく解けたテスト問題を、再度出題されたときに解けなかったという経験は学生時代にありませんでしたか。いやむしろ解けなかった問題の、その正解を導いた過程こそ、いつまでも記憶に残っているものです。
経営者は結果のみに一喜一憂せず、常にスペースワンの社長の言葉である「・・・一つ一つの試みの中に新しいデータがあり、経験があり、それらはすべて今後の新しい挑戦に向けての糧と考えている」の姿勢であることが望まれます。

経営相談室 コンサルタント 田口が担当しました。

田口 光春(たぐち みつはる)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 田口 光春(たぐち みつはる)のプロフィール

(2024年4月10日公開)

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