第2回 「スーツの青木」にならう創業資金の貯め方|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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「スーツの青木」にならう創業資金の貯め方

  • 十分な自己資金で心に余裕を
  • 「信用」分しかお金を貸してもらえない
  • 準備と根性が欠かせない

「スーツの青木」の創業者である青木擴憲氏 (AOKI ホールディングス代表取締役会長)の講演会を聞いて、印象に残ったことがあります。

創業資金の貯め方

十分な自己資金で心に余裕を

「父親の質屋が倒産し、19歳のときに、13歳の弟とともに、質流れのスーツを行商して売って歩いたのが創業でした。その後、業者の市でスーツを小切手で仕入れ、3日後に銀行で小切手決済されるまでに必死でスーツを売り、銀行で決済をする、ということを7年間続け、その間、手元に残った小銭を灯油缶に貯め、7年後に灯油缶いっぱいになったときには250万円になっていました。これを元手に250万円銀行からお金を借り、店をオープンしました。」

青木氏がこの話のあとに、「最初のお金を貯めるのに、やはり7年くらいはかかります。この250万円で信用が生まれ、銀行からお金を借りることができ、店舗を持つことでさらに商売のうえで信用ができました。銀行から250万円借りたのは、商売が失敗しても、貯めた250万円で借金を返せばいい、と思ったからです。これで心に余裕が生まれました」とおっしゃっていました。

「信用」分しかお金を貸してもらえない

最近、日本政策金融公庫の創業融資の自己資金要件が、いままで3分の1であったのが、10分の1に大幅に緩和されました。

これは、「日本政策金融公庫が100万円自己資金を準備すれば900万円貸します」ということではありません。単に「100万円自己資金があれば、900万円申し込むことはできます」というだけです。銀行は、その人の「信用」分しかお金を貸せません。

自己資金の要件が変わったからといって、融資を受ける人の信用が変わらなければ、融資額も変わらないのです。

準備と根性が欠かせない

お金がなくなると、事業をあきらめざるを得ません。十分な自己資金で心に余裕をもって事業を進める、というのが起業の王道です。

そのためには、何年もかけて灯油缶に小銭を貯め続ける準備と根性が欠かせないのです。

経営相談室 スタッフコンサルタント 泉が担当しました。

▼泉 仁史(イズミ ヒトシ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 泉 仁史(イズミ ヒトシ )のプロフィール

(2014年4月23日公開)

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