みなさん、こんにちは。スタッフコンサルタントの東です。
早いものでもう6月、2015年も折り返しとなりました。
「光陰矢のごとし」を年々痛切に感じる今日この頃です。
さて、今回は「男女の購買行動の違い」について書いてみたいと思います。
最近、あることがきっかけで、男女の購買行動に関連する情報収集を行いました。
そもそも男女の違いを生んでいるのは、人間が進化する過程で担っていた男女の役割の違いによるところが大きいそうです。
男性は、食料となる獲物を捕らえることが重要な役割で、目標物を設定しそれを獲得するためにはどんな構造の道具が必要かを日々考えていたため、体系的な思考力を養うことにつながりました。
一方で女性は、家庭を守ることが重要な役割であり、常に家族に危険が及んでいないか自分の周辺を気遣い、また、周囲の仲間と問題なく日々過ごせるよう共感力を求められるなどしたため、細やかな感受性が備わったそうです。
前出の違いは、空間認識の方法にも違いを生じさせているようです。
株式会社感性リサーチの黒川伊保子氏によると、男性脳は、「三次元・点型認識」で、奥行きを計算し、空間の広さと密度を把握するのに対し、女性脳は、「二次元・面型認識」で、奥行きの計算よりも自分の周辺をなめるよう把握しようとするのだそうです。
男性は、獲物を捕らえるのに自分からターゲットまでの距離を測ることが必要であったことから奥行の計算が求められたことや、女性は、家族や仲間といった自分を取り囲んでいる人たちの状況に常に目配せをすることが求められたことに起因していると推察しています。
よって、男性は空間を一気に把握したいという習性があるため、新聞の紙面構成などのように構造化された情報提供の仕方を望むそうです。
一方、女性は、自分の周辺を面でとらえるため、あふれる情報の中から自分にとって感性が刺激されるものが何かを察知し、選び出すことに喜びを感じるため、わかりにくさによるドラマティックな演出が効果的なのだそうです。
英語で買い物を表現する場合、「Buy」と「Shopping」という言葉がありますが、前者は「目的を持って、○○を買うとか・買った」という行動を指します。
一方、後者は「漠然としたイメージの中から店を巡りながら絞り込んで買い物する」というような行動を指すそうで、単に商品を選択するだけでなく、数ある商品群から商品購入後のイメージを想像し膨らませてから商品を選択するというニュアンスが込められています。
マーケティングの世界では、購買決定権の8割は女性が占めるといわれています。
これは、食料品・日用品など近くの店で買える「最寄品」を中心に、日々の日常的な買い物を女性が行う機会が多いことに起因していると推察されます。
男性の場合は、専門品といわれる頻繁に購入することの少ない特定商品に絞り込んで買うことが多く、
女性の場合は、前出の最寄品、またはアパレルなどの服飾関連商品といった店を巡って買うことの多い買回り品などの購入が多く、あれこれ店をめぐりながら絞り込んで買い物を行う行為そのものを楽しんでいると推測されます。
男性には、探している商品のスペックなどの情報により自分にとって必要であるかを素早く判断できる演出が、女性には買い物そのものを楽しめるよう商品のみならず接客・空間なども踏まえた演出が求められるようです。
みなさんは、男女の購買行動の違い、思い当たるところがありますか?
経営相談室 スタッフコンサルタント 東が担当しました。
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(2015年6月10日公開)
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