経営相談室の東です。
先日、以前ご相談にいらっしゃった方が8年ぶりにお越しになりました。
現在はどの成長段階にいますか?
お話をお聞きすると、このコロナ禍にあっても、8年前に比べて売上高、従業員数ともに倍になったとのこと。
業績が順調に伸び、会社も成長を遂げているといった喜ばしい状況である反面、売上増加に伴う業務量にどう対応していくか、新たな悩みが出てきたとご来館されました。
ラリー・E・グレイナーは、企業の成長段階に応じて経営課題は異なり、組織の規模と組織の年齢(成長段階)から企業の成長段階を5段階に分けて説明しています。
組織があるステージから次のステージに移るときに、質的に異なる問題が発生(「危機」と呼んでいます)、それを乗り越えて、次の段階へ移行できることで、企業として成長を遂げていくとしています。
第1段階:創造性による成長とリーダーシップの危機
第2段階:指揮命令による成長と自主性の危機
第3段階:権限移譲による成長とコントロールの危機
第4段階:調整による成長と形式主義の危機
第5段階:協働による成長と新たな危機
特に第1段階は、規模は小さくて組織年齢も若く、創業者のリーダーシップで組織を引っ張っていく段階で、創業者自身が経営に関わることに幅広く対応する必要があります。
しかしながら、企業の成長によって売上高が増加するにつれ業務量が増えていくと、創業者の対応力に限界がきます。これが「リーダーシップの危機」といわれるものです。
企業の成長に伴って、「分業」による組織形態に移行していかなければ、効率的な業務運営が難しくなってきます。
ご来館いただいたご相談者の会社では、社長が現場まで目配せをする文鎮型組織となっており、社長の目が行き届かなくなっているのか、納品のミスが目立つようになってきたため、現場にリーダーを据えること、間接業務を分業化して現場の業務負担を分散することが必要と再認識されました。
段階に応じた質的課題を乗り越えないと成長が頭打ちとなるので、企業の成長段階に伴って組織形態や運営方法を変えていくことが必要となります。
この企業成長モデルにもあるように、企業が成長していく上で、予め遭遇するであろう課題を見越しておいて、事前に手を打つことにより、スムーズに課題解決につなげることが可能となります。
現在、あなたの会社はどの段階にあり、今どんな課題を抱え、今後どのような課題が発生しそうでしょうか。
今一度自社の状態について、あてはめて考えてみてください。
経営相談室 スタッフコンサルタント 東 が担当しました。
東 純子(あずま じゅんこ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
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(2022年4月27日公開)
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