中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)
最近、起業して2年目のオリジナル雑貨の企画・製造・販売会社の社長と知り合いました。
その会社は創業1年目から絶好調で、起業当初の事業計画を大幅に上回るスピードで売上が拡大し、しかも顧客は優良企業ばかり。社長の商品開発に対する独自のセンスに心底感心してしまいました。
その社長の言葉の1つに「モノ作りの仲間で、これはいける、これはいい、というものは売れない」というのがありました。
モノ作りのプロがいけるという商品は、消費者の1歩も2歩も先を行っているため、消費者はついていけない。
だから、仲間から「これいいな」と言われると逆に不安になるとのことでした。
先日のテレビ番組でクイズの問題として出題され、出演者全員がその発想に驚きの声を上げた当社のヒット商品があります。
私もこの商品を社長から見せてもらったとき、「こんな商品はどうやって考え出すのですか?」と思わずたずねてしまいました。
社長曰く、
「常に複数の企画を頭の中に抱えていると、あるとき色々なことがつながり、固まったアイデアが降ってくる。売れそうなアイデアは、お客さんが商品を手に取ってレジに持っていくところまで明確にイメージできる。しかし実はこの分野の商品にまったく興味がない。興味がない自分でも買いたくなるような、消費者よりも半歩前をいく商品を考えている」
とのことでした。
私は商品開発のプロ中のプロの話を聞きながら、「消費者目線」という手垢でまみれた言葉の本当の意味を教えられたような気がしました。
経営相談室 スタッフコンサルタント 泉 仁史が担当しました。
▼泉 仁史( イズミ ヒトシ )のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 泉 仁史( イズミ ヒトシ )のプロフィール
(2016年8月3日公開)
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