経営課題の中でも資金繰りや人材の悩みは特に緊急性が高く、企業の中で積極的に対策や施策が打たれています。しかし、デジタル化は今すぐ実施しなくても影響がない事が多く緊急性を伴わないため、現状を知ろうとも、未来を描こうともしない事が多いです。
中小企業の風潮として、今の状態でも業務は回っているので、あえて時間や費用をかけてDXを推進する必要はないと考える方、DXってCMでやっているだけの流行りだと考えて知ろうともしない方を、デジタル化の支援の中で多く見てきました。
デジタル化に向けて歩みだしませんか?
外部の変化を感じても他人事と置き換えたり、社内の現状を見ても目を伏せたりしているようでは何も進みません。
現状を変えるためにも、経営者自らが外部環境、内部環境を知ることが大切になります。
外部環境や内部環境を知ると、どのようなデジタル技術で解決できるかを把握する必要がでてきます。例えば、店舗の品揃えが外部環境に合わせて用意できていない時は、来店客は時間帯・天気でどうなっているのかを分析し、その結果から品揃えを用意したい場合、どんなデジタル技術があるのか把握できていると、次のアクションに繋げやすくなる事が多いです。
そこで最近は、課題を解決する最先端デジタル技術の把握の仕方として「ABCD」を使う場面が増えてきていますので、ここからはA・B・C・Dのデジタル技術を見てみましょう。
A・・・【AI(人工知能)】
AIは、よく聞く言葉になってきていますが、AIに確立した定義がないと言われています。その中でも一般的に言われるのは、「人間が実現する事、人間が感じる事、人間の思考プロセス等を人工的に再現するもの」と言われています。最近では生成型AIとしてChatGPTが話題になりました。ChatGPTは提案書のたたき台を作成すること等に使われています。
B・・・【ビッグデータ】や【BI(ビジネスインテリジェンス)】
ビックデータとは、非常に大きなデータの集合体になります。BIは、そのビックデータを分析したり、レポートなどで結果を可視化します。
DXにはデータが必要不可欠ですが、集めるだけでは意味がなく、そのデータを意思決定に使用できるように、分析した結果をわかりやすく表示しなければなりません。
例えば、店舗前を通行する人の行動データ(ビックデータ)を収集し、BIツールを使って分析・表示を行い、行動に合わせた店舗運営の意思決定に使います。
C・・・【クラウド】
クラウドでは、ユーザーがハードやソフトを所有していなくても、インターネットを通じて、必要なときに利用することができます。
例えば、社内で作成した新商品の提案書をクラウドに保管することで、インターネット環境さえあれば、いつでもデータを確認できますし、クラウド上にあるアプリケーションを使い編集する事もできます。
D・・・【データ統合・連携】
データ統合・連携とは、言葉の通りですが、企業の中の様々な情報を独立したシステム単独で管理している情報を、集約していくのもDXに必要となります。
例えば、個人や部署ごとでバラバラに管理していた顧客情報を統合して管理し、その顧客情報を営業システムや販売管理システムに連携することで、顧客情報を共通して使用できるようにします。
その他の技術としてIoT、RPAなどもありますが、これらの技術要素は単独で使用するのでなく、組み合わせで使用することで、より高い付加価値を創出します。
デジタル化を進めていく際の1つの参考にしてください。
経営相談室 DX推進コンサルタント 黒﨑が担当しました。
黒﨑 崇範(くろさき たかのり)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 黒﨑 崇範(くろさき たかのり)のプロフィール
(2023年9月27日公開)
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