みなさんこんにちは。経営相談室の田口 光春です。
産創館での相談業務がない日は運動不足を解消すべく、1時間のウォーキングを始めて2年余りが経ちました。
提供する側と受け取る側の評価は違う
ウォーキングを始めるにあたり、飽き性の私ですので、長く続ける策として同じ道で往復しないようにする周回ルートを複数設定しました。それでも始めてしばらくすると、何となくマンネリを感じるようになり、そこで考えたのが設定ルートの逆にたどることでした。
逆ルートを歩いていて気が付いたのが「風景が違う」ということです。今まで見えていた風景は逆を辿ることで違って見えたのです。
その違った風景を見ながら思ったことは、私がこのブログ(第371話「商品の良し悪しは購入者が決めること」)に通じるのではということでした。当初設定ルートから見る風景が経営者から見る風景で、反対ルートから見る風景はユーザー(お客様や取引先)が見る風景ではないかと思えたのです。
「なんでこんないい商品が(ユーザーに)受け入れられないのか」といった経営者の不満の声に出会うことがたまにあります。でも「いい商品、いいサービス」と感じるのは経営者・供給者で、ユーザーには別の思いがあるのではないか。反対側、つまりはユーザーの視点で見たら、別の思いが見えてくるのではないか、ということです。
売上や利用が好調な商品やサービスであっても、会社や経営者がユーザーにここが評価されたと自画自賛することと、ユーザーが良いとか便利と思うことに違いが生じることが多々あり、会社等の自画自賛は一方向から見た風景でしかないのではと思われるのです。反対側つまりはユーザーから見える風景は違って見えているかもしれません。そこにミスマッチが起きている可能性は否定できません。
しかしウォーキングと違い経営の場面では、同一人物が両方の立場になることは非常に難しいことです。そこでユーザーの素直な意見を聞き取る方法として、インタビューやアンケートがあると思います。
インタビューやアンケートが難しいときは、身内や知人、友人など周りにいる人たちの意見も参考となります。
そのときに大事なことは、自分とは違ったネガティブな意見も素直に受け入れることです。それらの意見を参考にしながら、次のステップ、商品やサービスの改良やモデルチェンジに生かすことで、新たな展開が開けてくるはずです。独りよがりの一方の方向から見た風景からだけでは、決していい結果は生まれません。そういった意味で反対側から見える違った風景が大事なことではと、思うのです。
また、通勤ルートで、いつもとは違った脇道に逸れてみると、これまでと違った風景が見えてくるはずです。新規事業や商品の開発に行き詰まりを感じたときは、思考を変えてみると違ったアイデアに出会えるかもしれません。いっそう今の作業を止めて、別のことを行っているうちに、新しいアイデアに出会えるのも往々にしてあることです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 田口が担当しました。
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(2023年5月31日公開)
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