第542回 振り返ることの重要性|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)

振り返ることの重要性

  • 振り返りの目的
  • 振り返りによる気づき
  • 計画を機能させるには

振り返りの目的

今年は天候の変化が激しく、服装の調整など体調管理も大変ですね。
夏バテしないよう乗り切りたいものです。

計画作成だけでなく振り返りが重要!

計画作成だけでなく振り返りが重要!

先日、以前に中期経営計画の策定をご支援した事業者の方から、再度計画を作りたいというご相談を受けました。
実は前回作成されてから10年が経過しており、これまで全く見直しをされていなかったとのこと。
せっかく作成済みの計画があるので、まず、最初に以前作成した計画の内容について、振り返りを行いました。
10年の間、計画書を開くことはなかったようですが、何ができていて何ができなかったのかを洗い出しその要因を掘り下げて振り返ることで、次の計画作成に生かすことが目的です。

振り返りによる気づき

掘り下げを行っていく中で、意識的に行ない、結果に結びついていたのは、新規顧客獲得の営業活動でした。
その事業者の方はご自身が営業として動き、自社の技術が求められそうな工場を見極め、チラシを投函して新規開拓を積極的に行い、取引先を増やしていました。新規開拓は何をすればいいのかというイメージがわいていたため、行動に移せたものの、案外おざなりになっていたのが既存顧客の深耕でした。

顧客別に売上の推移を算出してみたところ、せっかく接点を持った顧客に対して、再度アプローチをし切れておらず、先細りになってきている顧客が何社か見受けられました。そして、新規顧客の獲得ばかりに気を取られ、足元の既存顧客との関係性を十分に強化できていなかったことに気づかれました。
これも振り返って傾向を見るという時間を取らないと気づけないことで、今後の戦略を練るためにも、「どんな業種」で「どのエリア」の「どのような依頼」があったのかを今一度整理することになりました。

計画を機能させるには

PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)という4つのプロセスを循環させ、次の計画に生かして精度を高めていくフレームワークです。社会人になったときから耳にしている「PDCA」ですが、案外、計画から実行して移してそのまま終わりというケースがよくあります。
計画は実行して終わりではなく、振り返って評価を行い次の改善につなげていくことを仕組みとして構築することが望ましいです。

この事業者の方の場合、前回作成時は社員との共有を行っておらず、定期的なチェックを行う体制が構築できていませんでした。
今回の計画策定にあたっては、計画の共有と実行した内容の評価、改善につなげていく検討の場づくりなど実行管理体制を作るところまで計画に織り込んでいく予定です。

経営相談室のスタッフコンサルタントの東が担当いたしました。

▼東 純子(あずま じゅんこ)へのご相談(面談)

(2025年7月9日公開)

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