前回、いつの時代も経営には新しい取組が必要だという主旨のことを述べました。連続テレビ小説マッサンの例でいえば、日本のウイスキーを作ることであり、ウイスキーを嗜む習慣を日本に根付かせることです。
同じく連続テレビ小説カーネーションの例でいえば、世界に通用するデザイナーズブランドを立ち上げることであり、日本人におしゃれする喜びを味わってもらうことです。
いずれも事実に基づくフィクションなのですが、これまで日本にはなかった価値を生み出すとともに、理解してくれるお客さんを増やしていくことで事業化していくという話になっています。
こう書くと「マッサンもカーネーションも創業の苦労話だから、新たな価値でお客を増やす必要があったのであって、安定経営をしている時にも新しい取組が必要なのか?混ぜたらあかんで」と疑問を持つ方もあるかもしれません。無論、将来にわたって安定が絶対に保証されるのであれば、敢えて新たなことに取り組むことは不要でしょう。
ところが、一昔前にブームになった『チーズはどこへ消えた』という寓話でも触れられているとおり、周りの状況は変化しており将来の絶対的な保証はありません。
将来を予測するにはチーズがなくなる前に新たなチーズを探しておくこと、ドラッカーを引用すれば「将来ありうべきものや、あるべきものを自ら創造すべく働くこと」、すなわち新たな取り組みが必要なわけです。
新たな取り組みには、新商品の開発、新市場の開拓、新技術の活用と、いくつかの力の入れどころがあります。
産創館では、このうち、商品に力を入れた「売れる商品づくりプロジェクト」を2014年から提供しています。
これまでにも産創館ではグループインタビューやモニター会などを通じて商品化を支援してきました。しかし、ピンポイントでの支援が中心であり、その効果は限定的なものでした。
本プロジェクトでは、商品がお客様に消費され価値を生み出すまでの一連の流れに勢いがつくように、産創館の様々なサービスを組み合わせて総合的に商品化のご支援をしていこうというものです。
既にいくつかの企業がご利用されて計画を立案中です。これから新しい取り組みをしていこうという時の伴走役としてご利用いただければ幸いです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 服部 繁一が担当しました。
▼服部 繁一(はっとり しげかず)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 服部 繁一(はっとり しげかず)のプロフィール
(2015年1月7日公開)
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