宣伝広告の効果を測るのが困難である理由は、売上アップの要因が宣伝広告によるものなのか、他の要因によるものなのか、正確に判別することができないからです。
正確な効果を測ることがそもそも無理なのかもしれません。
しかし、効果が分からないでは困るということも事実です。
宣伝広告の正確な効果を測定することは無理であっても、宣伝広告費のペイができる目標売上高の算出は可能です。
目標売上高の金額を目安にすることで、費用対効果がプラスかマイナス判断ができるようになります。
実際の算出の仕方は次の通りです。
目標売上高=宣伝広告費÷粗利益率
いかがでしょうか、理屈などは抜きで、式に数字をはめ込むだけでOKです。
算出した額よりも売上がアップしたら、かけた費用に見合うだけの宣伝広告の成果があったことになります。
算出した額よりも売上がアップしなかったら、費用対効果がマイナスということですから、宣伝広告の内容や対象の変更または改善、あるいはその手法での宣伝広告の取りやめを行います。
普段から宣伝広告を行っている場合、追加の宣伝広告費の効果として計算することも可能です。
粗利益率さえ分かっていれば簡単な計算で算出できます。
理屈を説明しますと、宣伝広告費は売上から売上原価を引いた粗利から捻出しますので、宣伝広告費をペイするために最低限必要な粗利を捻出できるだけの売上を算出しているということになります。
粗利の割合が大きければ大きいほど、低い売上で宣伝広告費をペイすることが可能になります。
宣伝広告をやったら、その成果をきちんと検証する必要があります。
目標売上高よりも売上アップした額が大きければ広告の効果があったということで、
・宣伝広告のタイミング
・ターゲット
・訴求内容
・宣伝広告の手法
それぞれが、売上アップにどのようにつながったのかを分析します。
複数回宣伝広告を行った方が売上アップにつながった理由などを特定しやすいです。
例えば、ターゲット・内容・手法はそのままで、タイミングだけ変えてみたらどのタイミングで宣伝広告を行ったら効果が出たかが明確になります。
宣伝広告の回数が少ない場合は、どうしても仮説に基づいて検討することになるので、精度は下がります。
そして、次からもっと効果を高められるようなタイミング、ターゲット、訴求内容、宣伝広告の手法を検討します。
目標売上高よりも売上アップした額が小さければ、広告の効果が不足しているということです。
「宣伝広告のタイミング」「訴求ターゲット」「訴求内容」「宣伝広告の手法」をそれぞれ検討し直す必要があります。
このやり方は売上がアップした要因など、明確に分からないことは最初から考慮していません。
宣伝広告費をペイする売上がいくらで、宣伝広告の成果がそれよりも大きいか小さいかという点でのみ判断しています。
その分、簡単な計算で算出できますので、宣伝広告の費用対効果の目安に使ってみてはいかがでしょうか。
経営相談室 スタッフコンサルタント 待谷 が担当しました。
(2018年3月7日公開)
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