第218回 デザインの判断基準|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)

なかのひと
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デザインの判断基準

  • 一番ダメな判断基準
  • どんなデザインが必要なのか
  • 最終的な判断は自分で

一番ダメな判断基準

皆さん、こんにちは、経営相談室の待谷です。

普段、どのような宣伝広告や販売促進のツールをご活用でしょうか? 日本の商習慣において、名刺は必須のツールといえるでしょう。 その他、会社案内・パンフレット・webサイトなど、情報提供や宣伝広告のために様々なツールを使用されているかと思います。

好き嫌いで判断していませんか?好き嫌いで判断していませんか?

それらを制作するにあたって、大抵の場合はデザイン会社に発注すると思います。
1回、あるいは何度かの打ち合わせなどのやり取りを行った後に、ラフデザインの提示がされるケースが多いはずです。
では、提示されたデザインの良し悪しを、どのような基準で判断されていますか?

一番ダメな判断基準は、ご自身の好みに合うかどうかという点で判断することです。
自身の好みのデザインであるかどうかと、成果・効果との間に因果関係も相関関係もありません。
「パンフレットを見ても製品に興味は湧かないけど、社長の好みを反映したデザインのようだから問い合わせてみよう」なんて誰も思いませんよね。

自分の気に入らないデザインよりも、気に入ったものを作りたいと考えるのは当然のことなんですが、目的を忘れては本末転倒です。
依頼者個人の好みは、デザインを判断するための基準においてプライオリティが低いということになります。

どんなデザインが必要なのか

デザインというとセンスで作るものという認識でいらっしゃいませんか?
センスが不要ということはありませんが、「誰に」「何を」「どのように」伝えるかというロジックがあって、それを視覚的に表現したものがデザインです。

例えば、会社案内やwebサイトの場合だと、ターゲット顧客にお問い合わせをしていただく、来店していただくといった目的で制作するはずです。

理念、信頼感、技術力、料金、競合との相違点…伝えたいのは何でしょうか?
そして、訴求内容を効果的に伝えるために、会社のイメージに合った、事業に合った、製品に合った、デザインが必要になるということです。

「誰に」「何を」「どのように」を設定した後に、それをどう表現するかというフェーズになってから作り手のデザインセンスが必要となります。

「誰に」「何を」「どのように」をいかに具現化したのか、デザイン会社にデザインのコンセプトの説明を求めてください。
こちらの意図を組んでデザインしたものであれば、レイアウト、色使い、使用しているフォントなどについて、ちゃんと説明ができるはずです。

ただし、先に説明を聞いてしまうと、納得してしまってちゃんとした判断ができないかもしれませんので、説明はデザインを見た後にしてもらうことをお勧めします。

訴求内容が伝わるか…例えば、顧客に対して親しみやすさをアピールしたいのであれば、親しみやすさを感じるデザインになっているか、自分の好みを外して顧客の立場に立って見てください。
従業員の方の意見を聞くのも良いでしょう、より客観的な見方ができるはずです。

最終的な判断は自分で

デザイン会社は、「ターゲット顧客は?」「どういったイメージを与えたいのか?」など、ヒアリングを行い、ヒアリング内容に基づいて制作をします。

しかし、どれだけヒアリングしたとしても、貴社のターゲット顧客と直接接しているわけではないので最終的な判断が難しいのは事実です。

従って、最終的な良し悪しの判断はご自身で行う必要があります。

せっかく費用をかけるわけですから、より成果が出る、的を射たデザインを選択する必要があります。
とりあえず作ってもらって、好みやなんとなくの雰囲気で決める…ではなく、デザインをロジックで判断できれば、クリエイター側もより提案をしやすくなります。
その結果、成果にも結び付きやすくなるはずです。

もし、デザインを依頼されるような機会がおありなら、ロジックに基づいて判断されることお勧めいたします。

経営相談室 スタッフコンサルタント 待谷 が担当しました。

(2019年1月9日公開)

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