六角橋商店街(横浜市神奈川区六角橋1丁目区域)は、入居希望者が多いという全国的には珍しい商店街です。若い方の入居希望が多いため、空き店舗が目立つ商店街をなんとかしたい地方自治体から注目を集めています。
「情報を広めたくなる動機」を知ろう
この商店街では、昭和レトロな雰囲気が漂い、アジアのナイトマーケットに模した「ドッキリヤミ市場」、個性的な演出の「商店街プロレス」など他の商店街では真似のできないイベントが多数開催されています。
こうしたイベントは、関係者の地道な活動に加え、映画の撮影などをきっかけに徐々に広まったものです。広まった背景には、一般の方のSNSへの投稿も大きく関わっています。六角橋商店街の動画やブログを検索すると公式SNSの情報もありますが、一般の方に支えられていることがわかります。他にはないイベント自体の面白さが投稿を促しているようです。
今回は、こうした一般の方(第三者)に情報を広めてもらうためのポイントをまとめてみました。
ニューヨークタイムズ社のカスタマーインサイトグループの調査では、インターネット上のコンテンツを人がシェアする際の動機を以下の5つの要素に分けています。
「WHY DO PEOPLE SHARE ONLINE(Souce:Newyorktimes, Remixed by Fundation Marketing)」
参照P16-P21「MOTIVATIONS FOR SHARING」
「シェアする動機(5つの要素)」
(1)有用であるから
情報に価値があり面白いと思ったものをシェアするという動機
(2)他人から見た自分を定義するため
他人から思われたい自分にするためにシェアするという動機
(3)関係性を維持あるいは深めるため
知人との関係性を維持するためにシェアするという動機
(4)自分の存在を示すため
シェアすることで自分が存在していることを示すための動機
(5)自分の主張や好きなブランドを示すため
自分の主義主張を示すためにシェアするという動機
中でも1番の動機は(1)です。
やはり面白いから誰かに教えるといった動機が大多数です。六角橋商店街のケースもこちらに該当します。
一方、私がこのブログで紹介した「シェアする際の動機5つの要素」をシェアしたのは、経営に役立つことを発信することで、ブログを見に来てもらい産創館のセミナーなどの情報を見てもらいたいという関係維持(3)の要素もあります。
このように情報をシェアしてもらうには、情報を作る際にシェアしたくなる動機を考慮することがポイントになります。
さらに、継続的な情報発信があるからこそシェアしてもらう機会も増えます。ブログをうまく活用している方に話を聞くと、「読み手を想像しながら」、「感じたことを素直に発信すること」が続けるコツと言います。斬新な面白さばかりを追わず「共感を呼べること」を中心に無理なく続けましょう。
最近では、コンプライアンスなども関わりトラブル回避のため情報発信を躊躇する方もいます。アウトソーシングをしているケースもありますが、できれば自社で取り組んでください。
情報発信をすることができるのは大きな“強み”になります。ご自身のできる範囲でやってみて、シェアする動機など広げるためのコツを参考にチャレンジしてはいかがでしょうか?
経営相談室 スタッフコンサルタント 大西 が担当しました。
大西 森(おおにし しげる)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 大西 森(おおにし しげる)のプロフィール
(2022年3月30日公開)
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