経営相談室の東です。
12月に入り早2023年も残り少なくなりました。
今年は新型コロナウイルス感染症が第5類に移行したこともあり、これまでリアル開催を控え気味だった忘年会も増えているように思います。
みなさまはいかがですか?
お互いの合意形成が重要!
さて、話は変わって、私は2004年から20年にわたり、この経営相談室でお仕事をさせていただいているのですが、その当時に創業をご支援した方から20期目を節目に設立時からいる役員に代表を譲ったとのご連絡をいただきました。
40代で創業した方たちが現在60代と、いわゆる定年を迎える時期に差し掛かってくることもあり、創業者として今後の会社の道筋をどうするのか、継続するとしたら誰にどのように引き継ぐのか、といったように、過去に創業をご支援した方たちからの事業承継に関するご相談が徐々に増えているように思います。
また、別の方は63歳で娘さんが入社しているので「そろそろ事業承継の話をしなければ…」と思いながらも、なかなか言い出せる機会がなく、やり過ごしているとのことでした。
事業承継には3つの承継があります。
中小事業者経営者のための事業承継対策(令和5年8月 中小企業基盤整備機構)には、その3つについて、下記のように記載しています。
「ヒトの承継」:後継者の選定、育成、後継者の意思確認
「資産の承継」:自社株式、事業用資産(設備・不動産等)、資金(運転資金等)、経営者保証、個人の財産
「目に見えにくい経営資源(強み)の承継」:経営理念、経営者の持つ信用、営業秘密、特許・ノウハウ、熟練工の持つ巧の技、得意先担当者の人脈、顧客情報、許可・認可・認証
その方は、自分が創業者としてなんでもやってきたことを引き継いでもらうことができるか、また会社の借入金を負わせることに対しても躊躇しているとお話しされていました。
ただ、課題として認識している懸念点について、現経営者ができていたことをすべて後継者ができなくても、補完できるメンバーを確保したうえで、チームで経営していくことも方策として考えられますし、経営者保証も条件が整えば外せる可能性もあります。
とはいえ、事業承継においては、継がせる側と継ぐ側のみならず、社内外の関係者と合意形成して進めていくことが求められますし、やるべきことが多岐にわたり、中には時間を要することもあります。
事業承継にまつわるさまざまな課題について、何からどう取り組んでいけばいいのかを考える上で活用できるのが、「事業承継計画」です。
計画書の作成を通じて、事業承継にあたっての基本方針を明らかにし、現経営者が後継者に対し、どのように承継していくかを時間軸に落としこんで整理することができます。
また、後継者とともに作成していくことでお互いの意思を相互確認することにもつながります。
ただ、計画を作成しようにも、実際に何からどのように進めていけばいいのか迷っていらっしゃる方については、こちらの窓口でお話をお伺いし、今後取り組んでいくことをともに整理することができます。
悩んで次の一歩が踏み出しきれない状態を解消するための一助として、ぜひご活用ください。
経営相談室の東が担当しました。
東 純子(あずま じゅんこ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 東 純子(あずま じゅんこ)のプロフィール
(2023年12月13日公開)
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