第450回 最低賃金アップをきっかけに人材確保の概念をアップデートしよう! |経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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最低賃金アップをきっかけに人材確保の概念をアップデートしよう!

  • 全国平均の最低賃金ついに1,000円超え
  • 従来型の人材確保はさらに困難に
  • ピンチはチャンス!副業・兼業人材という選択肢

全国平均の最低賃金ついに1,000円超え

みなさん、こんにちは。経営相談室の高松です。
まだまだ暑い日が続きますね。今年の夏は記録的な気温の高さだったようで、本当に暑かったです…。

人材確保も発想の転換!

人材確保も発想の転換!

この夏は、もう一つ記録的な高さとなったものがあります。そう、最低賃金の上げ幅です。全国加重平均額43円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となりました。この結果、2023年10月からの最低賃金は全国加重平均1,004円となります。
国はかねてから「地域別最低賃金の全国加重平均で1,000円以上をめざす」としていたので、いつかは1,000円以上になることは予想できることでした。とはいえ、改めて「1,000円超え」と聞くと、そのインパクトはやはり大きいです。
ちなみに、2023年10月1日から大阪府の最低賃金は1,064円に。20年ほど前、私が居酒屋バイトを時給800円で「結構いい時給!」と働いていたことを思うと、隔世の感です。

従来型の人材確保はさらに困難に

OECD(経済協力開発機構)加盟国の中では、日本の最低賃金はまだまだ低いです。ということは、おそらく今後も最低賃金は上がっていくと予想されます。また、折からの人手不足もあり、すでに最低賃金を上回る賃金を提示しているものの、それでも人手が確保できないという業界も出てきています。信用調査会社の調査によると、2023年上半期に人手不足を原因とした倒産が110件発生しており、こちらも過去最高のペースとなっています。

その一方で、働き手からは「入社してから賃金がほとんど変わらないので転職を考えています」という声も聞こえてきます。賃金の原資は事業の利益ですので、利益が増えていないのに賃金を上げることはできません。
事業の利益を増やすことができなければ、新たな人手を確保することはおろか、長年自社で働いてきた人材が流出するリスクにもつながってしまいます。

ピンチはチャンス!副業・兼業人材という選択肢

大企業を中心に「副業・兼業の解禁」が進んでいます。働き手からすると、従来の給与は維持しながら、新たなチャレンジができるメリットがあり、事業者側からすると、社外で取り組んだ経験を社内に還元してもらえるというWin-Winの関係が期待できます。さらに、コロナ禍でテレワークも浸透したことで、首都圏の副業・兼業人材が地方で活躍できる幅は広がっています。

この状況は、首都圏以外の中小事業者にとってはチャンスになりえます。フルタイムでの人材採用では、首都圏の大企業と真っ向勝負を挑んでも、賃金・待遇などの面で勝ち目は非常に薄いです。また、専門性の高い人ほど、抱え続ける費用も高額になってしまいます。人材不足自体は、事業者を取り巻く大きな課題です。ですが、社外でチャレンジしてみたい副業・兼業人材を迎え入れることは、フルタイムで抱えるよりも費用を抑えて、大企業で培った経験・スキルを持った専門性の高い人材からの協力が得られるチャンスにもなります。
副業・兼業人材を活用してみたいけど、具体的にどう進めていけばいいの?という場合は、相談窓口がおすすめです。

大阪府プロ人材 中核人材雇用戦略デスク

今までと同じが通用しなくなっている人材事情。環境の変化を捉えて、自社の人材戦略も変化させていきましょう!

経営相談室 スタッフコンサルタント 高松が担当しました。

高松 留美(たかまつ るみ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 高松 留美(たかまつ るみ)のプロフィール

(2023年9月13日公開)

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