第322回 コロナ禍の経営をダーウィンから考える|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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コロナ禍の経営をダーウィンから考える

  • 生物の進化は変異と自然選択
  • 生物と同じく企業も生き残れるのは変異したものだけ
  • コロナ禍は自然選択が求められる真っただ中で、チャンスでもある

生物の進化は変異と自然選択

皆さんこんにちは。
経営相談室 スタッフコンサルタントの田口光春です。

コロナ禍であった昨年末から今年の正月、皆さんいかが過ごされましたか。私は来客も出かけることもなく巣ごもり生活をしていました。

コロナ禍はビジネスチャンスでもある

コロナ禍はビジネスチャンスでもある

この機会を生かすべく、気になった本、「ロウソクの科学」「菜根譚」そして「種の起源」にチャレンジしました。そして前回に続き、表題の内容をブログにしました。

ダーウィンの進化論については、俗説も含めいろいろな説があるようです。ここで書いた内容は私の解釈ですので、予めご了承ください。

ご存じのように、「種の起源」は生物学という学問はなくもちろん遺伝子やDNAといったものが見つかる前の19世紀前半、約5年に渡る測量船への乗船で持ち帰った標本を基礎としてダーウィンが生物の進化を考察したものです。
時は「生物は神により創造されたもので、未来永劫変化しない」と考える人が殆どで、その常識への挑戦でもあったのです。

正式書名の「自然淘汰による種の起源―・・・略・・・-」からうかがえるように、主張は一貫して「変異」と「自然選択(自然淘汰)」です。

個体に有利で環境に適するような変異を得たもののみが、生存でき子孫を残すことができるとしています。

生物と同じく企業も生き残れるのは変異したものだけ

企業の歴史も同じではないでしょうか。

ただし、自然界では変異したもののうち、変化した環境に適合したものだけが自然選択で生き残ることができると言っていますが、企業は結果論ではなく、自らよい結果を得るよう変異を起こさなければ生き残ることはできません。
生物の変異は世代継承時(交配)に起きますが、企業では日常的に、かつ飼育栽培生物の人工交配のように意識的に行われなければなりません。

日本には創業100年を超える企業が3万社以上と言われています。まさにこうした企業は環境変化に適合するために変異し、他社を淘汰してきた選ばれたエリートなのです。
瞬間瞬間では気づかれず、数年たってようやく認識されたくらいの緩やかな変化で。

その一方で3万社の数万倍の企業が環境変化に適合できず、淘汰されてきているはずです。

コロナ禍は自然選択が求められる真っただ中で、チャンスでもある

そこで昨年からの厳しい経済環境のコロナ禍にどのように対処するかで、「存続できるか」、「淘汰されるか」の分岐点となるのです。

厳しい業界にあって、この環境をビジネスチャンスととらえ事業拡大を図っている企業もあれば、変化にオロオロするばかりで、適切な対処(変異)をとれない企業もあります。コロナ禍はまさに変異による自然選択が起こっている真っただ中といえましょう。 

冒頭に書いたとおり、ダーウィンの進化論については、俗説も含めいろいろな説があるようです。ここで書いた内容は私の解釈で、皆様の中には異論があると思います。その場合は、是非原点を確かめてください。ただ、原著は訳本でもかなりの大著で読みごたえが相当ですので、リライト版も出ており、まずはそこからチャレンジすることをお勧めします。私もそうでした。

経営相談室 スタッフコンサルタント 田口 が担当しました。

田口 光春(たぐち みつはる)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 田口 光春(たぐち みつはる)のプロフィール

(2021年2月10日公開)

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