第308回 個人事業主と法人の選び方 その3。様々な観点での比較|あきない・えーどのなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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個人事業主と法人の選び方 その3。様々な観点での比較

  • 前回までの振り返り
  • 様々な観点で個人事業主と法人を比較する
  • 簡単な質問で選べるチャート

前回までの振り返り

みなさん、こんにちは。
大阪産業創造館 経営相談室の岡島です。

2回にわたり、個人事業主と法人の違いについて、支出面や、支出面以外で法人にする理由をお伝えさせて頂きました。

個人事業主と法人を比較してみました

個人事業主と法人を比較してみました

(1回目)個人事業主と法人の選び方。責任の範囲や支出について。

(2回目)個人事業主と法人の選び方 その2。法人が必要ないくつかの理由

様々な観点で個人事業主と法人を比較する

今回は、前回までの振り返りも含めて、様々な観点で比較してみたいと思います。

1.責任
責任範囲については、個人事業主は無限責任、法人は有限責任です。
※詳しくは第290回をご覧ください。

2.初期・維持費用
個人事業主は税務署に開業届を提出するだけで、費用も時間もかかりませんし、記帳指導などを利用すれば顧問料や決算費用などもかかりません。

それに対して、法人設立は、法務局で登記が必要になり、合同会社で10万円ほど、株式会社で24万円ほどかかりますし月次・本決算を依頼すると、顧問料や決算費用が必要です。

更に、赤字でも、年間7万円程の法人住民税がかかります。
※詳しくは第290回をご覧ください。

3.信用力
一般的には、個人事業主より法人の方が信用力は高いイメージがあります。
但し、あくまでもイメージなので、実際の信用力という意味では、1円で設立した法人よりも、個人事業主の方が信頼されることもあります。

4.社会保険
個人事業主は、従業員数5人未満であれば任意加入で経営者自身は、基本的に国民健康保険と国民年金になります。

法人は、経営者1人でも報酬が発生すれば、社会保険の加入が義務です。
※詳しくは第290回をご覧ください。

5.人材確保
既に関係構築されている方を雇用するなら、個人事業主でも問題無いことが多いですが、不特定多数の人材を確保するなら、法人の方が、有利なことが多いです。
※詳しくは第299回をご覧ください。

6.繰越欠損金
繰越欠損金とは、ある年度に発生した赤字を翌年以降の黒字と相殺できるといった制度です。

個人事業主の青色申告で3年、法人で10年繰越すことができます。

7.決算期
一定期間(通常1年間)の業績や財務状態などを確定する作業のことを言います。

個人事業主の場合は1月~12月で決まっています。

法人の場合は、決算月を自由に決めることができます。
一般的に12月や3月が多いですが、それ以外の月でも問題ありません。

8.資金調達
法人の場合、出資による調達ができます。

出資は、一般的に議決権と引き換えに資金を調達する方法ですが、返済の必要ない点が特徴です。
そのため、出資者はリスクに見合う何らかのリターンを期待して出資することになります。

9.節税
起業時は個人事業主の方が有利なことが多いですが、一定規模を超えると、法人にした方が有利な場合もあります。

但し、さまざまな条件が影響するので、法人成りするタイミングについは税理士へご相談ください。

簡単な質問で選べるチャート

このように、個人事業主と法人を選ぶ観点が多いので、私なりに、簡単な質問で選べるチャートを考えました。

質問1 上場などの明確なビジョンがあり出資を予定している
はい→法人設立
いいえ→質問2へ

質問2 取引先の条件や許認可取得に法人格が必要
はい→法人設立
いいえ→質問3へ

質問3 優秀な人材を複数人採用したい
はい→法人の方が有利
いいえ→質問4へ

質問4 安定した収益が見込めて、利益から各種控除後の課税所得と言われる金額が400万円を超える
はい→税理士に相談して検討する
いいえ→まずは個人事業主ではじめる

まずは個人事業主ではじめる方も多いことと思います。
では、どのタイミングで法人成りするのでしょうか?

法人成りを考えるにあたり、消費税の免税・課税事業者の制度を理解する必要がありますので、次回お伝えさせて頂きます。

経営相談室 スタッフコンサルタント 岡島 が担当しました。

岡島 卓也(おかじま たくや)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 岡島 卓也(おかじま たくや)のプロフィール

(2020年10月28日公開)

大阪産業創造館 経営相談室(あきない・えーど)

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