第273回 経営理念を浸透させて強い組織になる|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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経営理念を浸透させて強い組織になる

  • 経営理念とは?
  • 経営理念の必要性
  • 経営理念を浸透させるには

経営理念とは?

みなさん、こんにちは。
年末年始に食べ過ぎたためにお腹がぽっこりとでてしまいました。
毎日5kmのジョギングと筋トレでなんとか体重を落とそうとがんばっています。

経営理念は従業員に浸透していますか?

さて、みなさんの会社に経営理念はございますか?
そもそも経営理念ってどういう意味なのでしょう?

「理念」を辞書で調べてみると、「ある物事についての、こうあるべきだという根本の考え」と記載されていました。
つまり経営理念とは、「経営についての、こうあるべきだという根本の考え」であると言えます。

経営に対する考えなので、100人いれば100通りの経営理念が存在します。
「うちは経営理念なんてないよ」という社長でも、普段なんらかの考えや判断基準から物事を考え、意思決定をして行動しています。
その根本的な考え方や判断基準が経営理念といえるでしょう。

経営理念の必要性

では、なぜ経営理念を作る必要があるのでしょうか?
経営理念を明文化する目的は、下記の点になります。

①自分自身の考えを整理し、判断基準を明確にするため
経営者として、即断・即決を迫られることがあります。
判断を迷ったとき、その選択が経営理念に沿っているかどうかが判断基準となり、毎回ぶれることのない決断ができます。

②従業員に経営理念に沿った行動をしてもらうため
「うちの従業員は1から10まで説明しないと行動してくれない」という社長がいらっしゃいますが、そもそも従業員が社長の考え方を理解しておらず、どのように行動すべきか判断基準を持っていないことが多いです。
経営理念を浸透させることで、従業員が社長の考えを理解し経営理念に沿った行動をするようになります。

経営理念を浸透させるには

経営理念を従業員に浸透させるには、額縁に飾っているだけではできません。

まずは従業員の経営理念に対する理解度を知るところから始めます。
①経営理念を覚えていない
②経営理念を覚えている
③経営理念の内容を理解し、共感している
④経営理念に沿った行動ができている

理想は④の状態です。
① 段階の従業員には、経営理念を覚えてもらう必要があります。
そのためには、毎日目に付くところに掲示する、朝礼で経営理念を唱和する、などをすることで覚えてもらいます。

次に②の段階の従業員には、覚えた経営理念の意味を理解し、共感してもらう必要があります。
そのためには、社長は従業員に対して経営理念の意味や作った時の想いなどを繰り返し説明します。

最後に③の段階の従業員には経営理念に沿った行動をしてもらう必要があります。
そのためには経営理念に沿った行動の事例を発表する機会を設けることにより、常日頃から経営理念を意識するように仕向けます。
またその事例についてディスカッションをすることで、経営理念に対する理解を深めます。

「覚える」⇒「理解し共感する」⇒「行動する」までできるようになることで経営理念が浸透した状態となり、その状態が継続することで会社の社風となります。

注意しなければならないことは、いくらすばらしい経営理念であっても、その内容と社長の言動や行動が乖離していれば、従業員は共感できないでしょう。

従業員は社長の言動や行動をよく見ています。
言っていることとやっていることが違えば、経営理念は形骸化し、組織として方向性はバラバラになってしまいます。

逆に経営理念が浸透すれば、従業員は社長の分身になります。
1つひとつの行動をいちいち指示せずとも、自発的に考え行動してくれるようになります。
それが組織として根付き、社風にまでなっている組織は意思決定も早く、強い組織となるでしょう。

経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口 が担当しました。

▼谷口 睦(タニグチ ムツミ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 谷口 睦(タニグチ ムツミ)のプロフィール

(2020年2月12日公開)

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