第428回 そうだ、DX!と思ったらやること|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)

なかのひと
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そうだ、DX!と思ったらやること

  • いきなりのDXは困難
  • DXを始める前に考えること
  • 「本当にその業務は必要ですか?」

いきなりのDXは困難

みなさん、初めまして。経営相談室 DX推進コンサルタントの折原です。

少しでも、みなさんのDX推進の助けになる記事を執筆していきたいと考えております。
よろしくお願いいたします。

ローマは一日にして成らず

ローマは一日にして成らず

DXとは、「Digital Transformation」の略語で、新語から日常で使われる言葉になりつつありますが、何から始めればいいかわからない、という企業様は多いでしょう。

よく言われるのは、「デジタルを使ったビジネスモデルの変革」ですが、一足飛びにそこにたどり着く企業様は、皆無でしょう。
まずは小さなことから着手し、少しずつ歩みを進めていかないと、途端に敷居が高い挑戦となってしまいます。最終目標は必要ですが、それを達成するための小さな一歩から始めましょう。

私たちDX推進コンサルタントは、小さな一歩の最初の行動として、DXで実現したいことを表現するスローガンの作成をお勧めしております。

DXを始める前に考えること

小さな一歩と書きましたが、その一歩は実はデジタル化ではありません。
まずは、「その業務が本当に必要なのか」を調べて、必要と判断した時に、デジタルのチカラを借りることで、より良くなるかを考えます。

必要ではない業務に関しては、なくすことが自然でしょう。

「私たちの業務に不必要なものはない」とおっしゃる方も多いですが、実は思い込み、だったという場面にも遭遇しています。

例えば、まず手書き伝票を起こし、その内容を複数の帳簿にさらに手書きで行っておられたユーザー様がいらっしゃいました。
表計算ソフトなどでデジタル化することで、一回入力するだけで自動転記ができることはご存じでしたが、顧問税理士から「方法を変えてはいけない」と、過去に言われており、そのままで約10年、手書き作業を続けておられました。

手書きという作業が本当に必要なのか、という質問を税理士にしたところ、「先代からの方法を変えると『貴社が』大変なのでは」という回答に加えて、「うちも手書きの帳簿よりデジタルデータで送ってもらった方がいいに決まっている」ということでした。
翌日からExcelでの記帳に変更し、「必要と思っていた」手書き作業をなくせました。

「本当にその業務は必要ですか?」

この事例は結局、企業様と税理士、それぞれ別の思い込みで、効率化を妨げていたというものでした。

ここまで極端なものではなくても、例えば社内の承認フローで関係のない人物の承認を得なくては進まない、という様なことはありませんか?
そうなった要因として、本来の承認者がいない時の代理承認だけだったはずが、いつの間にか代理者の承認も必要になってしまっている、という理由かもしれません。

DX推進で、いろいろな業務をデジタル化していく前に、「本当にその業務は必要か?」という視点で、業務の棚卸しをしてみてください。

経営相談室 DX推進コンサルタント 折原 が担当しました。

折原 正博(おりはら まさひろ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 折原 正博(おりはら まさひろ)のプロフィール

(2023年4月5日公開)

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