第360回 提供価値の正しい伝え方|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)

なかのひと
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提供価値の正しい伝え方

  • 顧客に価値が伝わっていない
  • 最初に価値を伝える
  • 特徴ではなく価値を伝える

顧客に価値が伝わっていない

みなさん、こんにちは。
経営相談室の谷口です。

仕事柄、さまざまな相談者から商品・サービスのお話をお伺いします。
その中にはすばらしい特徴をもっているのに、なぜか売れていないというものもあります。

お客様はあなたが提供する価値を理解していますか?

お客様はあなたが提供する価値を理解していますか?

売れていない原因はさまざまですが、その商品・サービスがターゲット顧客にどのような価値を提供するのかが伝わっていないケースがあります。


最初に価値を伝える

経営相談室の場合は、専門家が時間をかけてヒアリングすることで、その価値を理解することができます。

しかし、ターゲット顧客に伝える場合は、その商品に対して興味・関心がなければ、充分な時間を取って話を聞いてもらえません。

例えば、Eメールであればタイトルや冒頭の数行を見ただけで、チラシであればパッと2秒ほど見ただけで、直感的に必要性を判断されます。

短時間で興味・関心を持ってもらい、自分に役立つ内容であると認識してもらうには、最初にどのような価値を提供するのか、どんな困りごとを解決できるのかを訴求して、もっと詳しい話を聞きたい!と思ってもらうことが大切です。


特徴ではなく価値を伝える

相談者の方にその商品・サービスの提供価値をお伺いすると、価値ではなく特徴が答えとして返ってくることがあります。

しかし、特徴を顧客に訴求しても心に響きません。
なぜなら顧客はその商品・サービスの特徴ではなく、自身が享受できる価値に対してお金を払うからです。

例えば、マクドナルドには座席からスマホを使って注文すれば、店員が座席にまで商品を運んでくれる「モバイルオーダー」というサービスがあります。
この「商品を座席にまで運んでくれる」というのは単なる特徴にすぎず、モバイルオーダーサービスを通じて、マクドナルドが提供している価値は「座席にいながら家族みんなで商品をじっくり選ぶことができる」、「オーダー中も家族の団らんを楽しむことができる」という体験価値にあります。

なぜなら大家族がカウンターで注文する場合、後ろに並んでいる人を気にして、じっくり商品を選べないという潜在意識があるからです。

以上のことから、顧客に訴求する際は、特徴を伝えるのではなく、その特徴を活かして顧客にどのような価値を提供できるのかを伝えてください

まとめると、①ターゲットに認知してもらう段階では、「この先、話を聞かないと損をする」と思われるような価値を最初に伝え興味・関心を抱いてもらう、②伝える内容は「特徴」ではなく、顧客が得られるメリットや課題の解決につながる「価値」を伝える、ということが重要です。

顧客にどのように訴求すればいいか悩んでいる方がいらっしゃいましたら、経営相談室にご相談ください。

経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口 が担当しました。

谷口 睦(たにぐち むつみ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 谷口 睦(たにぐち むつみ)のプロフィール

(2021年11月17日公開)

大阪産業創造館 経営相談室

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