営業で厳しい場面の一つに価格交渉があります。
「この値段でいけるやろぅ・・、よそさんはこの値段でやる言うてるでぇ・・」バイヤー、仕入担当の常套文句です。
しかし、このほとんどがブラフ(ハッタリ、威嚇)。根拠はありません。
私も駆け出し営業の頃、いやというほど脅されました。この問題は「交渉術」「セールストーク」などというノウハウ本を読んでも解決しない。
仕入業者から情報収集、供給業者のコスト構造を研究する。しっかり準備することだけが対抗手段。「この値段で受けるとこに発注してください。」と言える。
「わかったわ!」と受注したことも少なからずありました。発注書は放り投げられましたけど・・・
アベノミクス、経済政策、GDP(国内総生産)を600兆円にする。消費を伸ばすためには、中小企業の賃金アップが必要、そのために、世耕経産相は下請法を見直すと言っています。
バイヤーの横暴、優越的地位の乱用を厳しく問う、ということですね。
しかし、発注する方が強いのが現実。だから、喧嘩しても意味がない。「カッとなった点については謝ります。」は愚の骨頂。点もへったくれもない。謝ったら負けです。
発注書を投げつけられようが、受注したら勝ち。バイヤーのでこちんに万札が張り付いている。「おおきに」と言ってそれを引っ剥がす。それが商売の醍醐味です。
ルソンの壺はフィリピンの港に転がっていたもの。納屋助左衛門はこれらを時の権力者豊臣秀吉に高値で売り付け、貿易船の資金にしました。
DS曲線。需要(D)線は右下がり、供給(S)線は右上がりの曲線。この交点が市場価格。経済学はこの交点を求める学問です。
市場価格は店頭で売られている商品の価格=上代と言っても良い。例えば、量販店の仕入値=下代は上代の税込約40%(掛率40%、4掛け)。
量販に納入する業者が確保する最低マージンが20%弱。このケースが全てやないけど、こんな情報が交渉の武器になります。
経営相談室 スタッフコンサルタント 森が担当しました。
(2016年10月12日公開)
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