第54回 利益だけでは判らないこと|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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なかのひと
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利益だけでは判らないこと

  • 利益だけでは判らないこと
  • 黒字倒産とは?
  • 「決算書」と「資金繰り表」が重要なワケ

利益だけでは判らないこと?

みなさん、こんにちは。大阪産業創造館 経営相談室の岡島です。

さて、経営相談室では様々な相談があります。
その中の1つに「利益は出ているはずなのに、なぜかお金が残らない」という相談もあります。

黒字倒産はなぜ起こるの?

一見、矛盾したように思えますが、
これが実際に起こるのが経営の不思議な部分です。

実は利益だけ見ていても、会社の状態はわからないことがあります。

黒字倒産とは?

そもそも利益とは、一定のルールに従って一定期間の成績を示すことです。
例えば、当月に商品は売れたものの入金が翌月になった場合でも
ルール上では、売上を当月に計上します。

そうすると、当月の「利益」では黒字でも、現金は来月まで待たないと入金されず、
当月の「現金」が足りない、ということが起こります。

他にも、在庫の増加や借入れの返済負担が過大であることも
現金を減少させる理由の1つです。

そして、この現金が足りない状態に陥ると倒産することになります。
このように、利益が出ているにも関わらず、現金が不足する状態が、
いわゆる黒字倒産と言われるものです。

「決算書」と「資金繰り表」が重要なワケ

損益計算書や貸借対照表といった、いわゆる「決算書」は
会社の儲けるチカラや、財務状態を定量的に示すものです。

経営相談室のコンサルタントは、決算書と資金繰り表などから
問題を特定、解決策を立案する
ことも業務の一つとなりますが
実は、経営者の皆さまにも毎月行っていただきたいと考えています。

それは、前述したような黒字倒産の原因は必ず決算書にあり
そこをいち早く特定して、策を打つことが
健全な企業経営に不可欠だからです。

ただ、決算書分析を行うには、ある程度の専門知識が必要です。
「財務は苦手」「税理士にまかせっきり」という経営者の方は
課題を見つけるための講座もありますので、ご参考にされてください。
→ 【1日完結ゼミ】決算書からわかる、経営課題の見つけ方

もちろん、経営相談室への個別相談も随時受け付けております。
一緒に課題を整理し、今後の方向性をアドバイスさせていただきます。

経営相談室 スタッフコンサルタント 岡島が担当しました。

▼岡島 卓也(オカジマ タクヤ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 岡島 卓也(オカジマ タクヤ)のプロフィール

(2015年7月1日公開)

大阪産業創造館 経営相談室

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