こんにちは。経営相談室の東です。
3月に入り、寒さも幾分和らいできましたね。
経営相談を受けるなかで、計画書を作成するにあたり、ワンフォーマットで全体像を整理してはとお勧めすることがあります。
当室のコンテンツの一つである「経営お道具箱」のなかにも「ビジネスプランサマリー」、すなわち、ビジネスプランの要約版として、参考までにフォーマットをご提供しています。
さまざまなフォーマットがあるので、ご自身が書きやすいものを選んでいただくといいかと思いますが、国においてもワンフォーマットで計画を作成するものとして、内閣府から「経営デザインシート」というフォーマットが提供されています。
経営デザインシートの基本的な考え方は、「これまでの価値を生み出す仕組み(価値創造メカニズム)を把握し、ニーズやウォンツに訴求できるこれからのメカニズムを構想する、すなわち『経営をデザインする』ことが重要」としており、さらに知的財産権にもふれていて、「知財は、価値創造メカニズムに組み込まれることで価値の創出に貢献することになるため、その価値の評価は、ビジネスにおいて果たす役割の把握を通じて行う」としています(内閣府 知的財産戦略推進事務局 「知財のビジネス価値評価検討タスクフォース報告書[概要]」より)。
平たくいうと、「価値創造のメカニズム」には、主な経営資源を活用して、どのようなビジネスモデルを構築することによって、どんな価値を提供するかを表しています。
さらに知的財産があることにより価値の創出にもつながるとしています。
また、デザインシートの基本構成は、
・企業理念や事業コンセプト(新しいビジネスのよりどころになるもの)
・これまでの外部環境を踏まえた「価値創造メカニズム」
・これからの外部環境を踏まえた「価値創造メカニズム」への移行のための戦略
・これからの「価値創造メカニズム」
となっており、経営の「これまで」と「これから」を一枚で俯瞰できるのが大きな特徴ともいえます。
経営デザインシートを作成することによって得られる効果として、先の報告書では、次の5点を挙げています。
① 環境把握・全社レベルでの価値創造メカニズムのデザイン・見直し
② 各事業のビジネスモデルのデザイン・見直し
③ 資源配分(投資回収)の最適化の計画策定
④ 知財戦略の策定、知財投資の最適化の計画策定
⑤ M&A時の事業価値等の評価適正化
詳しくは下記をご覧ください。
■経営をデザインする
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html
経営相談室でも経営デザインシートの作成をサポートいたしますので、自社の「これまで」を振り返り、「これから」のストーリーを描くツールとしてご活用くださいね。
経営相談室 スタッフコンサルタント 東 が担当しました。
▼東 純子(あずま じゅんこ )のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 東 純子(あずま じゅんこ )のプロフィール
(2019年3月6日公開)
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