こんにちは。スタッフコンサルタントの谷口です。
暑さのピークが過ぎたとはいえ、まだまだ残暑は厳しいですね!
さて、人手不足があらゆる業界で叫ばれており、2018年度の中小企業白書によると従業員数299人以下の企業の大卒予定者の求人倍率は6.4倍、つまり求職者一人に対して、求人が6.4件あるということで完全に売り手市場になっています。
日本政策金融公庫が調査した中小企業の経営上の問題点もリーマンショック直後の2009年では数%だった「求人難」が2017年には30%を超えて、「売上・受注の停滞、減少」という問題を抜きトップになっています。
このような状況の中、従来の求人広告を出すだけだとなかなか人は集まってきません。
ではどうすればいいでしょうか。
まずは今いる人材で生産性を高めることが重要です。
労働生産性の計算式は、付加価値÷従業員数(OR時間当たりの労働量)です。
つまり少ない人数でより付加価値の高い仕事をすれば労働生産性は上がります。
そのための方策として2つご紹介します。
①業務プロセスの見直しを行う。
具体的には、現在の業務プロセスを見える化して、その中で不要な業務・重複している業務がないか見直し、あれば簡素化します。
次に簡素化されたプロセスを標準化・マニュアル化して誰でもその業務に対応できるようにするという取り組みです。
②人材活用面での工夫により労働生産性を高める。
中小企業では大企業のように分業化できるだけの人材を確保できないため、従業員の多能工化・兼任化に取り組むことで、繁忙期となっている部署や工程に人材を融通して、業務の平準化や効率化を図ることができます。
上記のことを行う前提条件として、各従業員がどのような業務ができるかスキルマップ等を作ることで見える化して、ジョブローテーション、教育計画、多能工化・兼任化に応じた人事評価制度などが必要になります。
上記の生産性を高めた上でまだ人材が必要な場合は、採用の幅を広げる方策もあります。
大企業への就職希望者数が伸びる中、中小企業への就職希望者数は2年連続減少しており、女性・シニアを積極的に採用することで人手不足に対応している企業が増えています。
今まで男性・若手の仕事と決めていた仕事を女性・シニアに担当させる、フルタイム正社員の仕事を複数のパート社員等に細分化する、業務を重作業・軽作業に切り分けて、軽作業を女性・シニアに担当させる、などにより女性・シニアの業務範囲を拡大させる取組を行っています。
2018年度の中小企業白書に掲載されている「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」によると、中小企業が女性・シニアの受入体制を整えるために、下記の取組を行っているという調査結果が出ています。
「勤務時間の柔軟化」57.5%
「職場環境・人間関係の配慮」35.5%
「時間外労働の削減・休暇取得の徹底」28.2%
従業員を定着させるために、働きやすい環境を用意してあげることが大切だと思います。
2018年度の中小企業白書は、人手不足対策にかなりのページを使っており、上記の取組以外にもコラムで、中小企業が実際に行っている事例の紹介が多数掲載されています。
中小企業白書は、下記のURLから無料で確認できるので、参考にしてはいかがでしょうか。
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/PDF/h30_pdf_mokujityuu.htm
また大阪産業創造館では、人材採用に関するセミナーを開催しています。
直近では外国人技能実習について受け入れる際の手続きと注意点を学ぶセミナーがありますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。
【現場力向上セミナー】<外国人労働者2>注目の「技能実習生」を受け入れるには(2018年9月18日(火)開催)
経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口 が担当しました。
▼谷口 睦(たにぐち むつみ )のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 谷口 睦(たにぐち むつみ )のプロフィール
(2018年9月5日公開)
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