皆さんこんにちは。スタッフコンサルタントの田口です。
最近実体験したことから、表題にある経営に関するたとえ話(教訓)を思い出したことを紹介したいと思います。
気がつかないうちに進化する機能や技術
私はサッカーを始めた長男のサポートをきっかけにレフリーのライセンスを取得し、20年余りの間小学生や中学生の試合で笛を吹いたり、フラッグの上げ下げをしていました。
そして体力の衰えで選手に迷惑をかけるのではという恐れを感じたことで、10年ほど前にライセンスを返上し、それまで使っていた審判服などを押入れの隅に追いやっていたのです。
先日終活の一環で久しぶりにレフリー用品を引っ張り出しました。
そこでほとんど未使用の審判服のインナーを見つけました。当時は肌触りや速乾性などが優れていると謳われていた有名スポーツブランドの品を、かなりの高価格でしたが思い切って買い求めたことを思い出しました。もったいないから日常使いにと思い、普段着で使うことにしました。
使ってみて感じたのは、当時は最先端だと思った機能でしたが、最近買い求めた下着(インナー)の方が機能的に数段優れており、しかも価格もかなり安いことがわかり驚きでした。機能の進化に全く気が付いていなかったのです。
技術的進歩の代表例がIT関連製品でしょう。
我々が日ごろお世話になっているスマホは20年前のPCをしのぐ機能が内蔵されているとか。私はそんな製品だと日ごろ感じることもなく、そして内蔵されている仕様のほんの数パーセントしか使えていないでしょう。
常日頃はその技術進歩を感じることもなく、ある時いつの間にかこんなに進化していたのかと気が付き驚くことばかりです。
そこで思い出されたのが表題の「ゆでカエル理論」です。
ゆっくりと進行する危機や環境変化に対応することの大切さ、難しさを戒めるたとえ話の一種で、カエルを熱湯の中に入れると驚いて飛び出しますが、常温の水に入れて徐々に熱すると、カエルはその温度変化に慣れていき、生命の危機と気づかないうちにゆであがって死んでしまうという話です。
経営者や経営学者、経営コンサルタントなどによってまことしやかに語られ、すでに一つの教訓として定着しています。
実際のカエルは熱湯に入れると飛び出す前に死に至り、温度が上がるときは身の危険に遭遇する前に飛び出すので、その理論には根拠はないようですが。
時間の経過とともに変化する会社を取り巻く環境や技術の変化に無頓着でいると、会社の行く末に暗雲が漂うことになりかねません。
事業を行っている者やその幹部は事業を取り巻く環境には絶えず気配りしておく必要があります。そうでないといつの間にか自分や会社だけが取り残され、理論でいうところの「ゆであがって死んでしまう」なんてことになりかねないからです。
経営者にはアンテナを高くして事業を取り巻く環境、関連する技術動向を絶えずウオッチすることが求められているのではないでしょうか。「ゆでカエル」にならないように。
経営相談室 スタッフコンサルタント 田口 が担当しました。
田口 光春(たぐち みつはる)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
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(2022年8月10日公開)
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