先月開会したオリンピックに夏の高校野球と、スポーツ好きの私としてはとても忙しい夏になっています。オリンピック出場、甲子園出場という目標を達成した選手たちにはケガなく、精一杯自分の力を発揮してほしいですね。
ゴールから考えることも大切です!!
さて、以前に元野球日本代表監督の栗山英樹さんと株式会社ファーストリテイリングの柳井正さんの対談を見たことがありますが、お二人の話には共通点がありました。それは、目的やゴールから考えるということです。野球日本代表は2023年3月に行われた世界大会で優勝しましたが、勝利を決める場面でピッチャーとしてマウンドに立っていたのが、アメリカ大リーグで活躍している大谷翔平選手です。栗山さんは、日本代表チームが世界一を決める場面を明確にイメージし、最後のピッチャーを大谷選手と決めてから、大会期間中に投げるピッチャーのローテーションを“逆算”して考えていたそうです。柳井さんも、ご自身の著書「経営者になるためのノート」でまず目的やゴールを設定し、そこからやるべきことを考えることの重要性を主張されていました。
お二人が使っていた言葉は少し異なりますが、目的やゴールを意識して逆算して考えるということは共通しています。
それでは、どのような目的やゴールを設定すればよいのでしょうか。
よく売上目標、営業目標という数字での定量的な目標設定はありますが、何をめざすのかという定性的な言葉で目的やゴールが示されている会社の割合はさほど多くはないと思います。この目的やゴールを企業経営に例えると経営理念や経営ビジョンとなります。
ちなみに、栗山さんが率いた野球日本代表チームの目的は、「夢や元気、勇気を与えるプレーをし、野球の楽しさ、素晴らしさを次世代に伝え、野球を発展させる」で、ゴールは「世界一」です。心が湧き上がるような言葉で表された素晴らしい目的やゴールだと思います。
このような魅力的な目的やゴールが人のやる気を喚起し、〇年後にこの目的やゴールを達成するには、いつなにをやるべきかという逆算の発想がでてきます。
ゴールが「世界一」というのは極端にインパクトがある例ですが、やはりゴールを数字で示すことは達成度合いが明確になるので、大変重要なことだと思います。
そこで、KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)をご紹介します。KGIはゴールとして設定する重要目標達成指標であり、目標売上高や目標利益などにあたります。このKGIは設定していることが多いのではないでしょうか。
ただ、目標数字が単なるお題目になっていたり、達成までの道筋が不明確であったりすることが散見されます。
そこでKPIの設定が重要となります。目標達成までのプロセスをアクションプランに落とし込むことが大切であり、それを数値化したのがKPIです。例えば、年間売上高〇億円アップというKGIを達成するために、新規顧客〇件の開拓、顧客単価〇%アップというのがKPIの設定になります。
前出の大谷選手は大リーグでプレーするという将来の理想の自分(KGI)をイメージして、日々何をどれだけのトレーニングをするのか(KPI)を設定し、怠らずに取り組んだそうです。
魅力的な言葉による目的の表現と数字によるゴール設定とプロセス管理、ぜひ取り組んでみてください。
経営相談室 スタッフコンサルタント 太田が担当しました。
▼太田 信之(おおた のぶゆき)へのご相談(面談)
(2024年8月7日公開)
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