みなさん、こんにちは。経営相談室の太田です。まだまだ暑い日が続いておりますが、体調はいかがでしょうか。
今日は、保険会社で勤務した経験を元に、経営者の生命保険について大切なことをお伝えします。
経営者として万が一に備えましょう!!
ご家庭でも会社でも、収入を支える人=“大黒柱” を失ってしまうと、残された人は経済的に困窮する可能性があります。その対策として活用されるのが生命保険です。
ところで、生命保険の保険金額、すなわち必要保証額は、どのように決めていますか?個人では、今後のライフプランや収入から、将来に必要な金額を算出し、保険金額を設定していますね。では、会社の“大黒柱”である経営者が加入する生命保険の保険金額は、どのように考えたらよいのでしょうか。
経営者に万が一のことが起こった際、取引先や金融機関は不安になり、従来通りの関係を維持できなくなる可能性があります。そのような不安を払拭することに生命保険が役に立つ可能性があります。会社に残すお金としての生命保険の保険金額を考える際には、下記の考え方を目安にしてください。
※保険金額(必要保証額)の目安=借入金×1.5倍
各々の会社の財務内容にもよりますが、過去の利益の蓄積が少ない場合、借入金の返済は、会社にとって大きな負担になります。その為、借入金に備えた額の生命保険に加入しておくと、当面の不安を取り除くことができます。ただ、生命保険の保険金は営業外収益または特別利益として処理され、法人税等の課税対象となります。
そのため、借入金の返済は税引後利益から拠出することになるので、借入金対策の目安は、借入金の約1.5倍になります。また、従業員の不安を取り除くために、従業員の給料の3~6か月分を加えることを検討する必要もあります。
経営者は会社の大黒柱であると同時に、家族の大黒柱にもなっています。その為、会社のみならず、残された家族が困らないような対策も必要です。そこで死亡退職金を生命保険で準備してはいかがでしょうか。死亡退職金の目安は下記の計算式となります。
死亡退職金=最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率(2~3倍)
<例>報酬月額100万円 役員在任年数20年 功績倍率2倍のケース
100万円×20年×2倍=4,000万円
以上をまとめますと生命保険で準備する金額は、会社に残すお金(借入金対策+従業員の給料)とご家族に残すお金の合計となります。
一見わかりにくいですが、整理して考えることで必要な金額が見えてきます。大切なことですので、ぜひ取り組んでみてください。
経営相談室 スタッフコンサルタント 太田が担当しました。
太田 信之(おおた のぶゆき)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 太田 信之(おおた のぶゆき)のプロフィール
(2023年10月4日公開)
この記事に関連する大阪産業創造館のコンテンツ