みなさん、こんにちは。経営相談室の東です。
猛暑続きで夏バテなどしていらっしゃいませんか?
体調を崩しやすい時期ですので、より一層の健康管理に努めましょう!
では、本題です。
先日、ある女性経営者の方とお話しをしていたときのこと。
その方はアパレル小物の専門店を経営していらっしゃるのですが、お話しの中で印象に残ったのが、「わが社はパッチワークシフトですから…。」という言葉。
業種柄、仕事内容に接客とそれ以外のバックヤードの仕事がありますが、同社は数名いらっしゃるパートや在宅勤務の方々が、「対応できるお仕事」、「働ける時間」を調整しながら役割分担し、シフトを組んで営業なさっています。
家事や育児または介護など、時間の制約があっても、それぞれの事情を考慮しながらパッチワークのように可能な時間帯を組み合わせれば業務は回る、言い方を変えると仕事を細分化して誰がどう役割を担うか、「ワークシェアリング」の形態をとることで労働力を確保していらっしゃることが伺えました。
「ワークシェアリング」とは、仕事を分かち合うことにより、1人当たりの労働時間を短縮して、社会全体の雇用者数の増大を図ることが基本的な考え方です。
また、時間の制約を解消する手段としてだけでなく、男女という性差を超えてワークシェアリングをお考えになられている経営者にもお会いすることもありました。
その方は建設業なのですが、まさにイメージは男の職場。
一方で、建設業の就業者人口は他業種と比較しても特に減少傾向にあり、高齢化も一層進む中で、労働力確保は重要な経営課題になっています。
しかしながら、業務を細分化していけば、力仕事以外の業務も多々あるため、女性にももっと建設に関わる仕事をしてもらえるのではないかと考え、同業の方々と研究会を立ち上げたとおっしゃっていました。
日本は少子高齢化により今後一層の生産年齢人口(15~64歳)の減少が予測され、労働力の確保がますます難しくなります。
すでに、中小企業においては、1人の人材を採用するだけでも難しいというお声をよく聞きます。
ワークシェアリング導入の主目的は、1人当たりの賃金を下げてでも雇用を確保し失業者を減らすことにあり、オランダなど成果を上げている国もあります。
一方、日本においては雇用時にかかる経費の高さや就業形態における特有の考え方などが導入の進まない原因のひとつと言われていますが、本来の趣旨だけでなくワークシェアリングは多様な働き方を実現する手段ともいえます。
まずは、業務を細かく切り分けて、働く時間や場所といった制約を問わず、その業務に応じた人材を足元から見直して、雇用形態のバリエーションを増やし、組み合わせを考えていくことからはじめてみてはいかがでしょうか。
経営相談室 スタッフコンサルタント 東が担当しました。
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(2016年9月7日公開)
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