いまNHKでやっている連続テレビ小説「マッサン」を見ていて(時々しか見ていませんが)気付いたことは、これは起業に関する物語だということです。
この物語のモデルはニッカウィスキーの創業者ですので、“いまさら何を当り前のことを言ってるの?”と思われるかもしれませんが、起業支援をしている者としては“アル、アル”と感じる場面やセリフがあり、結構感心しながら見ています。
第8週のタイトルは「絵に描いた餅」でした。マッサンは「日本でウィスキーを作りたい」という思いはあるものの、金もなく、まったく実現可能性の見えない状況に陥っているなか、造り酒屋の実家に呼び戻されます。
そして実家の職人に「ウィスキーなんて日本で売れるわけがないし、金もないし、坊ちゃんのやろうとしていることは絵に描いた餅じゃないですか!」と叱られます。
母親からは「ウィスキー作りをやめて実家の造り酒屋を継げ」としつこく言われ、マッサン自身も自信がなくなってきて、このまま造り酒屋を継ぐ方が、将来生まれてくる子どもにとってもいいのではないか、と弱気になっていたとき、父親から「子どもを理由にウィスキー作りをあきらめるのか!」と一喝され、もう一度、ウィスキーに取り組む決意をします。
とはいえ、金がないのはどうしようもなく、第9週は「虎穴に入らずんば虎児を得ず」というタイトルで、マッサンはウィスキー作りに金を出してくれそうな鴨居商店に協力をお願いにいきます。
鴨居の大将にウィスキー事業を丸ごと喰われるリスクはありますが、絵に描いた餅で終わらせないため、リスクをとってチャレンジします。
この物語を見ていると、人の心の不確実さ、家族との関係、人の縁も含めて、起業というのは本当に綱渡りだと感じるのです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 泉が担当しました。
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(2014年12月17日公開)
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