先日、新商品の企画開発が得意な社長と話しているときに、社長から「新商品というのは評価が難しいんだよね。だから、自分の開発した新商品も、いくら説明しても、わからない人には全く理解されない」という言葉がポロリと出ました。
数十件の特許・実用新案を取得し、長年、新商品企画で生きてきただけあって、シンプルに核心を突いた言葉だと、思わず深くうなづいてしまいました。
植物の肥料を開発した別のベンチャー企業の話ですが、先日、大手製薬会社出身の社長から、20年かけて開発した肥料の効能についてお話を伺いました。しかしながら、こちらの化学の知識が乏しすぎて、全く理解できませんでした。この肥料は開発当初、営業しても全く売れず、融資で借りた資金も底をついてしまったとのことでした。
しかし、資金が底をついた正にそのとき、特許が取得でき、農林水産省で肥料として正式登録され、それをきっかけに次第に売れるようになり、今では代理店を使って全国的に広く販売できるようになりました。
最近、色々なところでビジネスプランコンテストが開催されており、私もビジネスプランを評価することがあります。もし、先ほどの肥料を、特許取得や農水省の登録の前に評価することになったとしたら、果たしてその潜在力を見抜くことができたのだろうか、と思ってしまいます。
画期的なものになればなるほど、その本質を理解できる人は少なくなります。したがって、事業者にとっては、本質を評価してくれる、しかるべき専門機関や専門家の、いわゆる「お墨付き」を得ていくことが非常に重要だと、改めて感じた出来事でした。
経営相談室 スタッフコンサルタント 泉 が担当しました。
▼泉 仁史( イズミ ヒトシ )のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 泉 仁史( イズミ ヒトシ )のプロフィール
(2019年7月24日公開)
この記事に関連する大阪産業創造館のコンテンツ