第548回 人材獲得競争に勝つためのポイント|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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人材獲得競争に勝つためのポイント

  • 中小企業における人手不足の現状
  • 採用活動の考え方
  • 求人票の作り方

中小企業における人手不足の現状

8月も下旬になりましたが、まだまだ残暑が厳しいですね。私は高校野球ファンですので、酷暑の中でも懸命に頑張る球児を見て、自分を奮い立たせています。

求人は集客と似ている!!

求人は集客と似ている!!

さて、日本商工会議所・東京商工会議所から2024年に出された「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査(※1)」によると、中小企業の6割以上(63.0%)が人手が「不足している」と回答し、その内の6割超(65.5%)が、「非常に深刻(廃業のおそれ)」または「深刻(事業継続に支障がでるおそれ)」と回答しています。また、業種別にみると、運輸業が83.3%、建設業が79.2%、宿泊・飲食業が72.7%と高く、製造業でも57.7%と幅広い業種に人手不足が広がっていることが鮮明になっています。このように人手不足に悩む中小企業は優秀な人材確保のために、採用活動に本腰を入れて取り組む必要があります。

採用活動の考え方

皆さまはビジネスをするうえでお客様に自社の商品・サービスの特徴や優れている点、他社との違いなどをホームページやSNS、広告などで一生懸命発信していませんか。お客様はそれらの発信内容が自分のニーズに合う場合に興味をもち、行動に移します。
一方で採用活動はいかがでしょうか。雇う側と雇われる側の立場があり、なんとなく雇う側は優位な立場にあるという感覚をもっていませんか。しかし、人材不足のなかでの採用活動においては、今や雇う側は選ばれる立場にならざるを得ません。ですから、お客様と同様に求職者に対して自社の特徴や優れている点、他社との違いをわかりやすく発信して、知ってもらうことが必要となります。

求人票の作り方

ハローワークのインターネットサービスに掲載されている求人情報を見ていると、仕事内容や会社の特徴などが淡々と書いてあり、求職者に対する熱意が感じられない求人情報が多くあります。しかし、お客様への熱意が伝わってこないお店には魅力を感じないように、熱意のない求人情報に進んで応募する求職者がいるでしょうか。求人情報には、自社の仕事のやりがい、社会への貢献度、従業員同士のコミュニケーション、教育制度など、求職者が知りたいであろう情報を具体的に掲載し、自社の特徴や優れている点を余すことなく、発信し伝えることが必要となります。ハローワークのインターネットサービスでは地域や業種を絞って求人情報を検索することができますので、自社と同じ地域、同じ職種で検索し、他社がどのような求人情報を掲載しているのか確認すると、自社がアピールするべきポイントも見えてくると思います。
せっかく頑張っているのに、自社の特徴や優れている点が求職者にしっかりと伝わっていないとしたらもったいないですよね。
人材不足で悩んでいるのであれば、まずは求人情報の見直しをお勧めします。

「経営相談室 スタッフコンサルタント 太田が担当しました

※1)出典:日本商工会議所(「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」 の集計結果について ~中小企業の約6割が外部シニア人材の受入れに前向き~)
https://www.jcci.or.jp/news/research/2024/0905140000.html

▼太田 信之(おおた のぶゆき)へのご相談(面談)

(2025年8月20日公開)

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