みなさん、こんにちは。経営相談室の高松です。
大阪の最低賃金は10月16日から1,177円
この時期になると、毎年話題になる最低賃金。先日、厚生労働省から令和7年度の地域別最低賃金の答申状況が公表されました(※1)。
これによると、最低賃金の全国加重平均は前年度よりも66円の引き上げの1,121円となり、すべての都道府県で最低賃金1,000円以上となりました。
2024年度の引き上げ額は全国加重平均で51円だったのに対し、今回はその上を行く引き上げ額です。2020年代のうちに、「最低賃金全国加重平均1,500円」をめざす政府の方針に照らせば、次年度以降、さらに引き上げ幅が大きくなる可能性も十分あります。
また、今回の最低賃金引上げをめぐっては、これまでと違う特徴が2つありました。
一つ目の特徴は、提示されている引き上げ額の目安を大きく上回る都道府県が複数あったという点です。
8月に厚生労働省から出された報道発表(※2)では、地域別最低賃金額の改定の目安として、63円~64円が示されていました。
この目安通りに進んでいれば、全国加重平均の引き上げ額は63~64円だったはずなのですが、結果的には66円。つまり、目安以上に引き上げをした都道府県があった、ということです。
2024年度は、徳島県が目安の50円を大きく上回る84円の引き上げを実施したことが話題になりましたが、2025年度は目安を10円以上上回る答申となった都道府県が11県もあります。ちなみに、大阪は目安通りの63円引き上げの1,177円となります。
二つ目の特徴は、例年よりも発効日(予定)を遅らせる都道府県が多数派になっているという点です。
例年は、10月1日以降、遅くとも10月中にはほぼすべての都道府県で最低賃金が改定されていました。ですが、2025年度は10月中に発効となる自治体が20都道府県と、むしろ少数派となっています。ちなみに、大阪は2025年10月16日発効予定ですが、これも例年と比べればやや遅めです。さらに、急激な賃金上昇に対しては、一定の準備期間が必要、ということで2026年以降の発効となる都道府県が6県に上ります。このようなイレギュラーが発生していること自体が、目安を上回る賃上げに対するインパクトの大きさを物語っていると言えます。
最低賃金の上昇は、自社では変えることのできない外部環境の変化です。今後は「国の示す目安を上回る賃上げが今後も起きる可能性」も織り込んで、事業を組み立てていく必要がありそうです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 高松が担当しました。
※1)出典:厚生労働省 報道発表資料(全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63030.html
※2)出典:厚生労働省 報道発表資料(令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_60788.html
▼高松 留美(たかまつ るみ)へのご相談(面談)
(2025年9月24日公開)
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