こんにちは。あきない・えーどのスタッフコンサルタント田口です。
本屋にはアイデアのヒントがある
前回までは変異(変化)をどのように見つけるかとまでは言及していませんでした。今回はその解決の糸口が見つかりましたので、ご紹介します。
東京都三鷹市に7年以上も無人の古本屋を営まれているところがあるようです。その話をあるサイトで発見し、何気なく記事を読み始めました。そして今回のブログの表題にたどり着いたのです。(いろんなところで、この本屋が取り上げられていますが、私が最初に出会ったサイトは、https://project.nikkeibp.co.jp/hitomachi/atcl/column/00008/013000006/?P=1でした。)
街中の本屋の数は減少する一方、アメリカ発祥の大手通販会社を筆頭にネット販売が主流となり販売量を拡大しているのが現状です。私も本のネット販売はよく利用します。
なぜそうした状況の中で実店舗の本屋、それも古本屋を開店することになったかをそのサイトで社長にインタビューしていました。その回答が「目の前に、物理的に本があることが大事だ」ということが行動のきっかけであると話されていました。
さらにその背景に「新しいアイデアは既存のもの同士のかけあわせだ。既存のもの1つ目が自分だとすれば、もう1つは(かけあわせるなら)本がいちばん手っ取り早い」。だから本屋が必要だとなり開店したのだと答えていました。
さらに「ネット通販の方が便利では?」、とインタビュアーからの質問が続きます。それに対し、「ネット販売では検索出来て確かに便利ではあるが、今の自分の頭の中の世界の延長線上のものしか見つけられない。でも、物理的に本が目の前にある本屋さんには、偶然予期しなかった本に出会える可能性、いわば『探索性』がある。」と答えられています。
つまりは実際に本が目の前にあると、いままで出会うことのなかったジャンルの本に出会う可能性が高く、今まで自分が知らなかった世界に出会い、かけあわせで新しいアイデアが生まれる可能性が高くなるのではということでした。
確かにネット販売は便利ですが、それを利用するときには具体的な書名、作家名あるいはジャンルを決めて検索し注文しています。その時点で興味がないジャンルの本には近づくことはできないのです。それに反し実店舗では、書名とかPOP広告などちょっとしたことに魅かれて今まで手に取ったことのない本に出会い、感激を受けることが度々あります。これが偶然予期しなかった本に出会うことなのでしょう。
衝動買いも決して非難されるものではありませんね。未知の分野に初めて出会った時のドキドキ感は決して忘れることができませんから。
こうした未知の分野に出会うことによって、経営に変化をつけるヒントに出会えるのです。本だけでなく、今まで参加したことのないジャンルのセミナーや講演会、知り合いのいない交流会などがそうしたチャンスに出会える場なのでしょうね。
社長は社長室に閉じこもるのではなく、積極的に社外に出て、本や人との出会いを探すことが大事だと思います。
ここまでは私の持論ですので、皆様は自分に合ったいろいろな方法で変化の糸口を見つけてください。
また最近、豊中市の蛍池で薬局が併営する本屋があることを知りました。この店も未知との遭遇を期待して1年前に開店したとのことでした。
経営相談室 スタッフコンサルタント 田口 が担当しました。
田口 光春(たぐち みつはる)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
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(2021年4月14日公開)
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