だいぶ前の話になりますが、飲食店を開業された方がいました。
私はことあるごとに事業計画を検討する必要性を説きましたが、その方は「やってみなければわからない」と十分な事業の検討も無いままに創業しました。
しばらくして、その方と話す機会がありましたが「今までと違って雨の日が恨めしく思える」と話していました。
天候を事業計画に盛り込まなかったことを後悔していたようです。その後しばらくして、お店は無くなり本人との連絡もつかなくなってしまいました。
たしかに事業計画をたてたところで、計画通りに進むことはまずありません。
しかし私は計画段階で破綻しているようならば、つまり机上の空論でさえ矛盾が生じているならば、実行したときの結果は期待できないと思います。
私は「やってみなければわからない」という言葉は「人事を尽くして天命を待つ」時に使うものだと思います。そして最後に次のことを検討されることをお勧めします。
考えているプランを全部やったときの事業の全体像
本当に自分にできるか否かの検討
全体像から自分にしか出来ないことへの絞り込み
大手企業では決して真似のできないノウハウや仕事の仕組みの検討
失敗することを前提とした立ち直れる仕組み、撤退基準の明確化
これまでの人脈を失わないようにする継続性
これらの問いへの自分なりの確たる答えが用意できないようであれば、もう一度計画を確認することが大切です。
「経済なき道徳は寝言に過ぎない」と二ノ宮尊徳は言っています。一日の営業時間、客数、客単価、商品原価、従業員数、賃金etc、創業の想い実現する構成要素一つ一つの中身を吟味して、納得づくで創業することをお勧めします。
経営相談室 スタッフコンサルタント 服部が担当しました。
▼服部 繁一(ハットリ シゲカズ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
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(2016年1月6日公開)
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