創業に適した年齢というのはあるのでしょうか?
少し調べてみるとパナソニック創業者の松下幸之助は23歳、キーエンス創業者の滝崎武光が29歳、武田薬品創業者の武田長兵衛が31歳だとわかりました。
また、経歴をみると、いずれの経営者も創業した企業に関連する業界で10年前後の経験を積んでいることもわかりました。このことは前回「創業時の業種選び」で触れた業種経験の大切さにも通じそうです。
とはいえ、これらのことはTOPIX Core30に指定される我が国の中でも世界的リーディングカンパニーの創業者の話です。次にもう少し身近なところで創業適齢期を検討してみましょう。
産創館が平成13年から提供している立志庵では入居時に性別や年齢を確認しています。
これまでの利用者について、性別は、男性81.1%、女性17.4%でした。また利用者の年代は、20代4.6%、30代21.1%、40代19.8%、50代10.8%、60代3.9%でした。
年齢の平均は42.6歳(男性43.0歳、女性40.3歳)、中央値は42.0歳(男性42.5歳、女性38.0歳)でした。年齢の代表値は平均をとってもよさそうです。なお、性別や年齢の割合は不明な方も含まれるため100%にはなりません。
この結果から平均的な立志庵利用者は、43歳男性であることが分かります。
産創館スタッフは、立志庵利用者と半年程度お付き合いしますが、皆さん非常に精力的なことを感じます。
「自営業には市場の厳しい淘汰があり、(中略)高齢期になって自営業を開業することがいかに困難か」(三谷直紀[2002]「高齢者就業と自営業」『マイクロビジネスの経済分析-中小企業経営者の実態と雇用創出-』東京大学出版会,64-65頁)という指摘もあるとおり、創業は苦しい時期を乗り越える活力のあるうちに進めることが必要なようです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 服部 が担当しました。
▼服部 繁一( ハットリ シゲカズ )のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
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(2017年7月19日公開)
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