みなさん、こんにちは。経営相談室の東です。
あっという間に12月、2017年も残りわずかとなってきました。
この時期になると、今年一年で話題なったことが取り沙汰されますが、皆さんはどんな場面やキーワードが印象に残っているでしょうか?
先日、日本経済新聞社発行の日経MJから「2017年ヒット商品番付」が発表されましたが、今年東の横綱に挙げられたのが「アマゾン・エフェクト」。
「アマゾン・エフェクト」とは、事業領域の拡大を続けているアマゾンがあらゆる企業や産業をのみ込むことを意味する造語とされています。
アマゾンは、今や書籍のみならず取扱商品を増大させ、生鮮食品にまで対応範囲を広げている手軽で便利な存在。
一方で、その影響力は大きく、米国では大手百貨店をはじめ小売業が軒並み閉店に追い込まれる事態が生じており、日本の大手小売業においても、セブン&アイホールディングスがアスクルと手を組んで生鮮食品の宅配に乗りだすなど、危機感からかアマゾンを意識した販売手法に転換する動きが見て取れます。
さらに、商品販売のみならず、アマゾンプライムの会員が利用できるアマゾンビデオやミュージックなどのサービスはコンテンツを扱う事業者にも影響を与えていますし、配送量の増大に伴い大手宅配業者が運賃の値上げに踏み切るなど、その存在感が国内の他業種にも及んでいることが伺えます。
限られた時間の中で、あえて足を運んで買い物の時間を捻出せずとも、豊かな品揃えの中から短時間で商品を選び、ネットで注文するのは確かにとても手軽で便利です。
だからといって全てネット上で購買行為は完結するでしょうか?
実際に足を運んで買い物をするからこそ、自分が検索しただけではたどり着けない商品に出会えるという新たな発見ができます。
また、専門性が高くて知識がないと判断が難しい商品は、お店の方のアドバイスを受けることによって納得して買いたいという想いもあります。
買い物には、合理性や利便性を追求するだけでなく、「こんなものもあるんだ!」や、「初めて買うけどこの人が言うなら楽しめそう!」といった、ワクワク感という感性を刺激される醍醐味があります。
画一化された商品を比較購買するだけでは満たされない消費者の思いを叶えるためには、ユニークな品ぞろえやきめ細かな対応ができる中小事業者の存在がより活かされるのではないかと思うのですが…。
今後の購買スタイルがどう変化していくかも、引き続き注視していきたいと思います。
経営相談室 スタッフコンサルタント 東 が担当しました。
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(2017年12月20日公開)
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