こんにちは、経営相談室の谷口です。
ビジネスモデルを見直しましょう!
以前「ビジネスモデルキャンバスの具体例と活用方法」についてお伝えしました。最近は、ビジネスモデルキャンバスの認知度が上がり、多くの方が作成するようになってきましたが、一度作って満足してしまう人が多いように感じます。
確かに、現状のビジネスモデルを見える化するだけであれば、それでも十分な効果はあります。
しかし、より「儲かるビジネスモデル」へとブラッシュアップしていくには、何度も更新し、改善を重ねることが不可欠です。
今回は、ビジネスモデルキャンバスを活用し、持続的に利益を生み出す仕組みを作るためのポイントについて解説します。
ビジネスモデルを構築するうえで大切なのは、「再現性」を持たせることです。
たまたま売れた、偶然ヒットした、というのでは安定した経営は望めません。市場の一定数が確実に購入または利用する仕組みを作ることが、長期的な成功につながります。
例えば、新商品を発売した際、口コミで一時的に売れたとしても、それが継続的に売れ続けるとは限りません。
なぜ売れたのかを分析し、ターゲット層を明確にした上で、プロモーション方法や販売チャネルなどを具体的にして、それらを再現可能な形で仕組み化することが重要です。
そのためには、ビジネスモデルキャンバスの各要素を一つずつ見直し、仕組みとして成立しているかを検証することが求められます。
ビジネスモデルキャンバスにおいて、「提供価値(Value Proposition)」は非常に重要な要素です。しかし、多くの事業者がここを抽象的に捉えがちです。
例えば、パン屋にとって、「おいしいパンを作る」というのは当たり前であり、それだけでは競合と差別化ができず、顧客がそのパン屋を選ぶ理由にはなりません。
おいしさに加え、「無添加で健康に配慮している」、「毎朝焼きたてを提供」、「低糖質でダイエット向け」など、具体的な提供価値を打ち出すことが重要です。
提供価値を考える際には、顧客はどんな課題を抱えているのか、その課題をどのように解決できるのかを深掘りし、競合にはない自社ならではの強みを明確にしましょう。そうすることで、顧客が納得し、選ばれるビジネスモデルが完成します。
ビジネスモデルキャンバスは一度作成して終わりではなく、定期的に見直し、改善していくことが重要です。特に、市場環境の変化や競争の激化により、昨日まで通用していたモデルが突然通用しなくなることもあります。
見直しの際には、以下の点を意識しましょう。
整合性が取れているか:各要素がバラバラになっていないか、全体として一貫したストーリーになっているか
売れる仕組みがあるか:顧客が商品・サービスを知ってから購入・利用に至るまでの流れが整備されているか
独自性があるか:競合と似たビジネスモデルになっていないか、自社ならではの強みが明確になっているか
ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスを成功させるための「設計図」です。特に、「全体の整合性」、「売れる仕組み」、「独自性」の3点を意識しながら、ビジネスモデルをブラッシュアップしていきましょう。最終的に、自社ならではの強みを活かし、競争優位性のあるビジネスモデルを確立することが、成功のカギとなります。
まずは現在のビジネスモデルキャンバスを見直し、3つの視点から確認してみましょう。
経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口が担当しました。
▼谷口 睦(たにぐち むつみ)へのご相談(面談)
(2025年4月16日公開)
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