今年もプロ野球セパ交流戦が終わりました。やっぱりパが強かった、とか、そんなことはどうでもよくて、プロ野球のキャリアを積んでから10年目に初勝利を挙げた選手に感動しました。北海道日本ハムの村田透投手です。
彼は2007年に大阪体育大学からドラフト1位でジャイアンツに入団。しかし、一度も一軍の試合で投げることなく、2010年に戦力外通告を受けました。社会人野球の名門パナソニックに行く道もありましたが、アメリカメジャーの下部リーグ1Aからプロ野球のキャリアを再スタート。2A、3Aと這い上がり2015年には1試合だけですがメジャーデビュー。
北海道日本ハムから声がかかり、今年、10年越しで日本プロ野球初勝利を挙げたのです。
1Aから再チャレンジ。日本の感覚でいうと「原っぱでやる野球からやりなおし」。あまつさえ、通訳なし。当然トラブルもある。すべて自分で解決しなくてはならない。心がポキポキ折られまくって日本に帰ってきても、誰も責めることはできない。
それでも彼はコツコツ努力を重ね、2A、3A、メジャーと一つ一つ階段を上がり、日本球界に復帰して初勝利を挙げた。何が彼を支えたのか?
僕は、アメリカで再チャレンジをスタートしたころから彼のブログを読んでいました。それで感じたのですが、彼は決して不屈の精神の持ち主ではないと。
負けた試合の後でも、素直な言葉でブログを更新する。「練習をします」。次の登板機会が来ると「やってやります!」。周りの環境のせいにしない。すべて自分の責任。
ベストを尽くす。そして、その結果を「あるがままに」受け入れる。また、ベストを尽くす。そんな訓練を彼はずっと続けてきたのではないだろうか。
プロなので、エキセントリックなパフォーマンスも悪くはないが、彼のようなまじめな選手が結果を残すと、心がほっとする。そんな今日この頃です。
経営相談室 スタッフコンサルタント 森 が担当しました。
(2017年6月28日公開)
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