みなさん、こんにちは。経営相談室の谷口です。

自社に合った工程管理をしませんか?
製造業の経営者から「案件ごとの正確な利益を知りたい」という相談をよく受けます。特に、材料費だけでなく「労務費(かかった時間)」を正しく管理することは、適正な利益を確保するために不可欠です。
しかし、現場は作業で手一杯です。「メモする暇はない」と記録が定着せず、結局は「どんぶり勘定」から抜け出せないのが現実ではないでしょうか。
そこで今回は、現場の負担を減らしつつ正確なデータを集める、スマホ活用法を解説します。
現場にとって、紙の日報への記入は大きな負担です。記憶頼りで不正確になりやすく、字が乱雑で読めないこともあります。また、回収した日報をExcelなどへ転記する事務員の負担も大きく、付加価値のない作業に多くの人件費が割かれていますが、アプリを活用すれば、作業員はスマホで案件を選び「開始」「終了」を押すだけで工数を管理できます。正確な時間が自動記録され、鉛筆も時計も不要です。データは瞬時にクラウド保存されるため、事務員の転記作業もゼロになります。
「記録の手間」と「集計の手間」、この2つを同時になくせるのがデジタル化の最大のメリットです。
作業時間をデータ化できると、経営に重要な「真の利益」が見えてきます。
多くの現場では、労務費が固定費として一括処理され、「手間ばかりかかって実は赤字の案件」と「短時間で終わり利益率の高い案件」の区別が曖昧になりがちですが、アプリ上で「1時間あたりの作業工賃」を設定しておけば、記録時間から労務費が自動計算されます。さらに材料費などを加えれば、案件ごとの正確な「粗利」が算出されます。
蓄積されたデータを使えば、売上や粗利のランキングを自動でグラフ化することも可能です。
例えば、「A社の商品は売上額が大きいが、実は赤字」「B社の案件は少額だが、高利益」といった実態が一目でわかります。
これにより、経営者は「優先すべき仕事」や「価格交渉」の判断を、勘ではなく根拠を持って下せるようになります。
まずは身近なスマホを使った工程管理から検討してはいかがでしょうか。
しかし、「便利なのはわかるが、システム導入は高そうだ」と不安な方もいるかもしれません。
そこで次回は、専門知識不要で自社アプリを作れる「ノーコードツール」を活用した、導入の進め方と事例についてお伝えします。
経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口が担当しました。
▼谷口 睦(たにぐち むつみ)へのご相談(面談)
(2026年1月7日公開)
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