第572回 経営計画作成の真の価値とは?|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)

経営計画作成の真の価値とは?

  • 経営計画は予測を当てるもの?
  • センスメイキング理論から読み解く経営計画の価値
  • 計画を通じて意思を示し納得を促す

経営計画は予測を当てるもの?

記録的な大雪に見舞われるなど厳しい寒さの2月でしたが、下旬に差し掛かり、近所では梅の花がほころび始めました。少しずつ春の訪れを感じる季節になりましたね。

計画は経営者の意思を示すもの!

計画は経営者の意思を示すもの!

私は相談業務を通じて経営計画の策定を支援していますが、計画をまだ作成されていない事業者の方も多くいらっしゃいます。 変化の激しい昨今、「先が見通せない中、計画を作っても無駄ではないか」と考えてしまいがちですが、あえて問いかけたいことがあります。

「経営計画は、予測が当たっていなければ意味がない」と思っていませんか?

実は、経営計画において最も重要なのは、予測の「正確性」ではありません。 むしろ、「計画を通じて経営者の意思を示し、進むべき方向(物語)を共有すること」にこそ、真の価値があります。

センスメイキング理論から読み解く経営計画の価値

この考え方を組織論の視点から紐解くのが、組織心理学者のカール・エドワード・ワイクが提唱した「センスメイキング(意味付け)理論」です。これは、不確実な環境下において、組織のメンバーが目の前の事象に「意味付け」を行い、納得感を持って行動していくプロセスを指します。

この理論を象徴する有名なエピソードがあります。 アルプス山脈で遭難した部隊が、偶然持っていた「ピレネー山脈の地図(全く別の場所の地図)」を頼りに行動した結果、無事に生還できたという話です。

なぜ、間違った地図で助かったのでしょうか? それは、地図が正しい道を教えたからではなく、絶望的な状況下で「この地図があるから大丈夫だ」という納得(センスメイキング)を部隊に与え、一歩を踏み出したからです。
人は納得して動き出すことで、新しい道を見つけることができます。逆に気を付けなければならないのは、正解を求めて立ち止まり、組織が思考停止状態に陥ることといえます。

計画を通じて意思を示し納得を促す

経営者が立てる経営計画は、社員にとっての道先を示す「地図」の役割を担います。先行きが見通しにくい現代では、完全に予測通りの計画を作ることは困難です。
しかし、計画を通じて経営者が意思を示すことで、社員は「自分たちはどこへ向かっているのか」という物語を共有できます。たとえ後から内容を修正することになったとしても、一度「自分たちはこう進む」と言語化した方向性は、組織の推進していくためのエネルギーとなります。

正確さを気にしすぎず、まずは「どんなビジョンを実現したいのか」という意思を、計画作成を通じて明確にしていきましょう。

経営相談室では、経営計画作成の個別相談を行っているほか、初めての方でも取り組める「中期経営計画策定サポートプログラム」をご用意しています。経営相談室のスタッフコンサルタントが複数回にわたって伴走支援いたしますので、ぜひご活用ください。

中期経営計画策定サポートプログラム

経営相談室の東が担当いたしました。

▼東 純子(あずま じゅんこ)へのご相談(面談)

(2026年2月18日公開)

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