こんにちは。
経営相談室の谷口です。
先日、ある社長さんとお話しをしたとき、退職する人が増えて困っているとお聞きしました。
もちろん、何が原因で退職するのかヒアリングはしているものの、当たり障りのない答えしか返ってこないため、対応が難しいそうです。
そこで、辞める人に焦点を当てるのではなく、今いる従業員がこれ以上辞めないように対策を立てましょうとお伝えしました。
従業員はヤル気に満ち溢れていますか?
まず従業員の仕事に対する意識を把握するために、ワークエンゲージメントの調査をご提案しました。
「ワークエンゲージメントとは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態を意味し(出典:令和元年版労働経済の分析)」、定量的に評価することが可能です。
従業員のワークエンゲージメントが高い会社は、離職率が低い、労働生産性が高い、自発的に仕事に取り組むなどの傾向があります。
それではワークエンゲージメントをどのように測定すればいいでしょうか。
有名な調査方法が、「ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度(UWES)」です。
これは17項目の質問(短縮版では9項目)に答えることで「活力」、「熱意」、「没頭」の度合いを知ることができます。
活力:仕事から活力を得ていきいきとしている
熱意:仕事に誇りとやりがいを感じている
没頭:仕事に熱心に取り組んでいる
定量的に評価して、自社の従業員にとって「活力」、「熱意」、「没頭」のどこが低いのか把握できたら、次に対策を考えましょう。
【活力】
精神的、肉体的にエネルギッシュである必要があります。
そのためには以下のような対策が有効です。
- 適度な休息がとれるリフレッシュ制度を設ける
- 従業員の健康管理を行う
- リラックスして仕事ができるように環境を整備する
【熱意】
仕事に対するモチベーションを高める必要があります。
そのためには以下のような対策が有効です。
- 取り組んでいる仕事が取引先・仲間に対してどれぐらい貢献しているのか説明する
- 成長の機会を与える
- 周囲から自分の存在や仕事ぶりが認められる
- 公平で納得感のある評価制度
【没頭】
時間を忘れるほど、仕事に集中できるようにする必要があります。
そのためには以下のような対策が有効です。
- 自分で仕事をコントロールできる権限を与える
- やりたい仕事にチャレンジできる制度や時間を設ける
- 仕事に集中できる環境を整備する
以上は一例にすぎませんので、ぜひ従業員の方と一緒になって、どんな施策をすればワークエンゲージメントが高まるのかディスカッションしてみてください。
経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口 が担当しました。
谷口 睦(たにぐち むつみ)のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 谷口 睦(たにぐち むつみ)のプロフィール
(2022年9月14日公開)
この記事に関連する大阪産業創造館のコンテンツ