先日、機能性マットレスを見に、有名スポーツ選手がCMをしているメーカーのショールームに行きました。
商品の価値を知ってもらう仕掛けが重要
店員さんから、「マットレスの機能を体感してもらうために、まずは普通の布団に横になってください」と言われ、言われるままに横になりました。次に一番安いマットレスを体感し、次第に価格の高いマットレスを順番に試していきました。
一番安いものは入門編ということで、買いやすい価格でしたが、次のグレードも少しがんばれば買える価格であり、その次のグレードも「毎日使うものだから、これくらいの価格差なら買ってもいいかな」というように、商品のグレードの違いに対して価格が絶妙に設定されていました。
店員さんのデモンストレーションも練りに練られており、もともとは「一番安い商品でいいか」と思っていたのが、知らず知らずのうちに予算の3倍の商品を買いたくなっていました。
今回の私の例を改めて考えてみますと、まず、顧客の来店や問い合わせにつながる「入口商品」という安価で購入しやすい商品の存在が挙げられます。そして、その入口商品を起点に、品質の違いがはっきりとわかるグレードの高い商品を、納得感のある価格の上げ幅で、複数展開しています。さらに、店員さんが、商品の違いを上手に説明し、次々とグレードの高い商品を試させてくれました。
こうした仕掛けの結果、「ちょっとお金をプラスすれば、これほど素晴らしい商品が手に入る」という考えが次第にエスカレートしていき、いつの間にか高い商品を購入したい気持ちになっていくのです。
なお、私は、予算の3倍の商品を買いたいと思いましたが、同行していた家族の不服そうな視線もあり、他の店も見たうえで、結局は予算内の他社商品を購入しました。
高額商品を買ってもらう仕掛けは、価格にシビアな人達には通じないようですので、ご留意ください。
経営相談室 スタッフコンサルタント 泉 が担当しました。
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(2021年3月10日公開)
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