中小企業の経営者・起業家の皆様を支援する機関。大阪産業創造館(サンソウカン)
京セラの創業者 稲盛和夫さんが本に書いておられます。創業当時、経理は全く分からなかった。財務の専門家に聞いても、専門用語が飛び交い、益々わからなくなった。
しかし、よくよく考えてみると収益が費用を上回ればよいのだと、シンプルな経営の原則に気付いた、ということです。
さらに、損益計算書ベースで利益が出るだけでなく、大事なのは資金繰り。資金がショートしないように回収を早め、支払いを締めることが肝心です。
「物流なんか自分でやらなあかん。」あるアパレル会社の社長がおっしゃった言葉です。物流は一つの例えです。要は、安易に外注を使うな、ということ。
この会社は設立30周年、年商は10億、内部留保は4億を超す超優良企業です。業務内容は、メンズアパレルのOEM、しかも量販向けがほとんどです。中国、ミャンマー、バングラデッシュで年間70万枚生産します。
物流費が一枚当たり100円かかる、とする。自社で物流までやれば、70万枚×100円=7,000万円の現金が会社に貯まる。物流にかかる人件費も外注費もコスト=販管費ですが、キャッシュフローで確実に7,000万円の差が出る。
物流の問題を貸借対照表の観点で考えましょう。これも前述の社長の言葉です。「自分が仕入れた商品を目の前に置いとくんや。そしたら、売らんとえらいこっちゃ、となる。」
在庫が増えると現金は減ります。一日も早く得意先に引き取ってもらう、一刻も早く代金を回収する。それしかありません。
在庫は倉庫に預ける。在庫情報はスマホでいつでも確認できる。スマートです。しかし、システムにかけたお金が必ずしも潤沢な資金につながらない。目の前の在庫に対する危機感、荷捌きに流す汗。この現場主義がキャッシュフロー経営の基本だと思いますね。
経営相談室 スタッフコンサルタント 森が担当しました。
(2015年12月2日公開)
この記事に関連する大阪産業創造館のコンテンツ
産創館のサービスを探す
Copyright OSAKA BUSINESS DEVELOPMENT AGENCY rights reserved.