こんにちは、経営相談室の谷口です。
最近の物価高は本当に大変ですよね。仕入れ価格や光熱費が上がり会社の利益が減ってしまった、資金繰りが厳しくなった、というお話を多くの経営者の方から伺います。
物価高に打ち勝ちましょう!
こんな厳しい時だからこそ、まず取り組みたいのが「賢い経費節約」です。これは、ただ我慢するだけの節約ではありません。会社のお金の使い方を根本から見直し、本当に必要なものとそうでないものを見極め、無駄をなくすことで、手元にお金を残し、経営を安定させるための積極的な取り組みです。
そしてもう一つが「ITによる業務改善」です。ITというと難しく感じるかもしれませんが、パソコンやスマートフォンなどを上手に活用して、日々の仕事のやり方を見直し、効率を上げることです。これにより、コスト削減効果が期待できるだけでなく、従業員の皆さんの負担を減らし、限られた人数でもより多くの仕事ができるようになります。この二つの取り組みが、今の厳しい状況を乗り越えるための具体的な解決策です。
経費を節約するためには、まず「何に」「どれだけ」お金を使っているかを把握することからスタートします。毎月の試算表や経費の記録を丁寧にチェックし、大きな金額が動いている項目や、以前より増えている項目に注目してみましょう。
毎月決まって出ていく「固定費」は、一度見直せば節約効果が長く続くので、優先的に取り組むのがコツです。家賃の交渉に加えて、本当に今の広さが必要か、リモートワークなど働き方の変化に合わせてスペースを最適化できないかなど検討してみましょう。電気代などの光熱費は、契約プランを見直したり、節電を心がけたりするだけでも違いが出ます。定期的に支払っているソフトウェアの利用料や会費なども、本当に活用しているか、費用対効果に見合っているか、定期的なチェックが必要です。
日々の活動によって変わる「変動費」も見逃せません。例えば仕入れの工夫です。複数の取引先候補から見積比較や発注のタイミングや量を工夫することで、コストを抑えられる場合があります。また、日々の業務で使う消耗品なども無駄がないか見直してみましょう。
経費節約は、経営者だけでなく従業員全員で取り組むことが成功の鍵です。なぜ節約が必要なのか、皆でアイデアを出し合うことで、前向きに進めることができます。
「IT活用」と聞くと、「専門知識が要るのでは」と心配になるかもしれませんが、専門知識があまりなくても簡単に取り組めて、すぐに効果を実感しやすい業務改善のヒントをご紹介します。
まず、情報共有の方法を見直してみましょう。
大切なデータや書類が個人のパソコンやキャビネットにバラバラに保管されていては、探すのに時間がかかり非効率です。そこで、インターネット上でファイルを安全に保管し、関係者と共有できるクラウドサービスなどを活用すると便利です。これにより、どこからでも最新情報にアクセスでき、紙の書類を減らすこと(ペーパーレス化)で印刷代や保管スペースの節約にも繋がります。
また、社内の連絡手段として、メールだけでなく、より迅速にメッセージをやり取りできるチャットコミュニケーションツールを導入すれば、報告・連絡・相談が素早く行え、意思決定のスピードアップも期待できます。
次に、手間のかかる定型業務をITで効率化することを考えてみましょう。毎月の勤怠管理や経費精算、顧客情報の入力といった作業は、比較的安価に利用できる専用のクラウド型業務アプリケーションを導入することで、手作業に比べ格段に手間を減らし、ミスも防げます。また、多くの方がお使いの表計算ソフトも、関数や簡単な自動化機能を活用すれば、強力な業務改善ツールになります。
ITによる業務改善を成功させるコツは、一度に完璧をめざさず、小さなところから試してみることです。まずは従業員の皆さんが一番困っている業務や、改善効果が出やすそうな作業を選んで、試験的に導入してみましょう。何から手をつけて良いか分からない、自社に合った方法が知りたいという場合は、経営相談室へお気軽にご相談ください。
経営相談室 スタッフコンサルタント 谷口が担当しました。
▼谷口 睦(たにぐち むつみ)へのご相談(面談)
(2025年6月4日公開)
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