第582回 健康保険・厚生年金保険の基礎知識|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

健康保険・厚生年金保険の基礎知識

  • 健康保険・厚生年金保険の「定時改定」
  • 保険料算定の対象となる「報酬」とは?
  • 4月〜6月こそ業務効率化!

健康保険・厚生年金保険の「定時改定」

みなさん、こんにちは。経営相談室の高松です。
前回のブログでは、公的保険全般について取り上げました。今回は、公的保険のなかから、健康保険・厚生年金保険の保険料が決まる仕組みの基本と特例について取り上げます。

2026年度は健康保険料率微減。

2026年度は健康保険料率微減。

健康保険・厚生年金保険は、毎月の給与額に応じて決まります。しかし、残業代などで毎月変動する給与に対して、その都度保険料を計算し直すのは事務負担が大きすぎます。
そこで、年に一度、特定の期間の給与を基準にして保険料を見直す仕組みがあります。これが「定時改定」です。
届出自体は、例年7月1日~7月10日に行われ、「4月・5月・6月の3ヶ月間の報酬」をベースに、「標準報酬月額」を決定します。
例えば、給与の総支給額が
4月:20万円
5月:26万円
6月:29万円
の場合、
(20万円+26万円+29万円)÷3=25万円となり、これを「健康保険・厚生年金保険の保険料額表(※)」に当てはめて等級を決定します。

(※)出典:協会けんぽ(被保険者の方の健康保険料額(令和8年3月~) 大阪)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/about/business/insurance_rate/premium_prefectures/r08/

今回の例では、25万円の報酬額は「報酬月額25万円以上27万円未満」に当たるので、「健康保険20等級/厚生年金保険17等級の標準報酬月額26万円」として、保険料を算出します。

保険料算定の対象となる「報酬」とは?

健康保険・厚生年金保険の保険料算定の対象となる「報酬」は、基本給だけではありません。残業代や通勤手当、家族手当など、労働者が労働の対償として受けるすべてのものが含まれます。労働の対償は金銭での支給に限らないので、通勤手当ではなく通勤に必要な定期券を現物支給するような場合も「報酬」となります。

例えば、基本給が25万円のAさんとBさんがいたとします。Aさんは自宅が近く通勤手当がゼロ、Bさんは遠方から通勤しており月3万円の通勤手当が支払われている場合、Aさんの報酬月額は「25万円以上27万円未満」で「健康保険20等級/厚生年金保険17等級の標準報酬月額26万円」ですが、Bさんの報酬月額は25万円+3万円=28万円なので「27万円以上29万円未満」となり、「健康保険21等級/厚生年金保険18等級の標準報酬月額28万円」となります。

4月〜6月こそ業務効率化!

4月〜6月に「たまたま残業が多かった」という場合には、実態よりも高い標準報酬月額で設定されることになります。
定時改定で決まった保険料は、原則として9月から翌年8月まで適用され、途中で残業代が減ったとしても基本的には変動しません。
「夏以降は残業ゼロなのに、春の残業代のせいで高い保険料を払い続けなければならない」という事態が起こり得るのは、このルールがあるためです。
新年度で業務多忙!という事業所は多いと思いますが、4月~6月の期間こそ、業務を効率化させて定時にサクッと仕事を終わらせるメリットが大きいといえます。この機会に、業務の見直しに取り組んでみてはいかがでしょうか。

経営相談室 スタッフコンサルタント 高松が担当しました。

▼高松 留美(たかまつ るみ)へのご相談(面談)

(2026年5月20日公開)

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