オーナー社長と親族関係にある後継者候補から相談を受けることがよくあります。相談内容は社長に対する不満がほとんどです。社長不在で後継者候補から話を聞くだけなので、多少の偏りはあるでしょうが、同情すべき内容が含まれていることがよくあります。

社長としっかり話し合うのが重要!
以前相談にお越しになった後継者候補の例ですが、別の企業で順調に仕事をしていたところ、社長の父親から「後継者として自分の会社に入ってほしい」と言われました。父親の会社に入社し、数年間、自分なりにがんばって仕事をし、成果もあげてきたにも関わらず、父親が「お前を後継者にするつもりはない」と言い出しました。そこで後継者は「話が違うので会社を辞める」と言いましたが、父親は退職を許してくれない、とのことでした。
事業承継に関して、社長の言うことがその時々で変わり、何が本音なのかわからない、ということは、この例に限らず、よくあります。社長の思いも揺れているのでしょうが、後継者候補からすると、自分の人生もありますので、このような理不尽な対応はたまったものではありません。
それでは、後継者候補としては何ができるのでしょうか?中小零細企業では、社長が会社の株式を握っているオーナー社長がほとんどです。この場合、残念ながら後継者候補がオーナー社長に対して、自分に会社を承継するよう、強制力を持って要求する権限はありません。したがって、後継者候補としては、「親子だから」という理由だけで、「当然自分が社長になれる」という考えは捨てて、社長の意向に沿いながら実績を上げて、社長に認めてもらう、という普通の会社員と同じような努力をする必要があります。または、社長が亡くなり、株式を相続できるまで待ち続ける、という選択肢もありますが、社長の遺言などで自分が株式を相続できないこともありえます。
いずれにせよ、後継者候補はこうした法的な限界を理解した上で、父親でもある社長としっかりと話し合い、自分の人生を選択していく必要があるのです。
経営相談室 スタッフコンサルタント 泉が担当しました。
▼泉 仁史(いずみ ひとし)へのご相談(面談)
(2026年7月8日公開)
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