第594回 トレンドに変化あり?2026年度の最低賃金改定について|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

トレンドに変化あり?2026年度の最低賃金改定について

  • 2026年10月以降の最低賃金
  • 最低賃金の全国平均1,500円の達成は2030年代前半へ
  • 上位・中堅層の待遇アップがポイント

2026年10月以降の最低賃金

みなさん、こんにちは。経営相談室の高松です。

毎年この時期に話題になる最低賃金。2026年7月28日に、中央最低賃金審議会より、令和8年度(2026年度)の最低賃金は全国加重平均で前年度よりも55円アップ(引き上げ率4.9%)の1,176円という目安が示されました。(※1)

<(※1)出典:厚生労働省:令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74920.html

答申通りにいけば、大阪の最賃は1,231円に。

答申通りにいけば、大阪の最賃は1,231円に。

最低賃金は、令和3年度 (2021年度)から、引き上げ額、引き上げ率ともにその前の年度を大きく上回る水準で推移していました。
前年度が引き上げ額66円(引き上げ率6.3%)であったことを鑑みると、少し上昇ペースが緩やかになった、と言えるかもしれません。

最低賃金の全国平均1,500円の達成は2030年代前半へ

この背景には、最低賃金に関する政府方針の見直しがあったように思います。
最低賃金については、政府より、「2020年代のうちに全国加重平均1,500円を達成」という目標が2024年10月に示されていました。これは、2029年まで毎年100円程度の最低賃金アップを継続しなければ達成不能な目標でした。

2026年7月21日に公表された「日本成長戦略」(※2)では、
・2029年度までの間に、日本経済全体で、実質賃金で年1%程度の上昇を社会通念として定着させる
・最低賃金は、遅くとも2030年代前半のできる限り早期に全国平均1,500円を達成する
という内容が改めて示されました。

<(※2)出典:内閣官房 日本成長戦略 閣議決定(令和8年7月21日)>
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/index.html

「最低賃金にだけフォーカスを当てて賃上げを進める」というよりも、最低賃金以上で働いている人も含めて「持続的に賃金が上がる環境を生み出す」という方向性がうかがえます。

上位・中堅層の待遇アップがポイント

最低賃金が大幅に引き上げられてきた代償の1つとして、上位・中堅層の賃金アップの抑制といった問題が指摘されていました。実際に、「社内でどれだけがんばっても、賃金が上がらないので起業したい」といった40~50代の方から相談を受けることも少なくありませんでした。
「仕事ができる人ほど損をする」「管理職は罰ゲーム」といった言葉も聞かれる昨今の就業事情ですが、国の方針が変更されたことで、今後は、これまで取り残され気味だった上位・中堅層の待遇アップが重要になるのではないかと考えています。仕事への貢献度に見合った待遇を用意できる企業であれば、能力のある人材から選ばれるチャンス!かもしれません。外部環境の変化を意識して、従業員の待遇を再点検してみてはいかがでしょうか。

経営相談室 スタッフコンサルタント 高松が担当しました。

▼高松 留美(たかまつ るみ)へのご相談(面談)

(2026年8月12日公開)

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