第41話「思い通りの承継には経営権の裏付けが必要」|事例に学ぶ 事業承継|【公的機関】事業承継なんでも相談所|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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事例に学ぶ 事業承継
事業承継相談員が見聞きした事業承継にまつわる「うそのような本当にあった出来事」をシリーズで紹介していきます。
ただし、みなさまに問題点をわかりやすく考えていただくため、少し脚色しています。その点はご容赦ください。
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第41話「思い通りの承継には経営権の裏付けが必要」

戦時中、国の指導によって、同じ事業をする会社が強制的に合併させられることがありました。
今回ご紹介する企業も、その特異な経緯を経た会社です。
元々あった数社の会社のオーナー家がそのまま株主となっているため、当然ながら株式は分散していました。

合併から四半世紀を経た頃、会社は飛躍的に成長しました。
それまでも地場有力企業という評価を得ていましたが、全国的、まして世界ではほとんど知られる存在ではありませんでした。

当時の社長が事業の舵を大きく切り、既存事業の延長線上ではありましたが、ユーザーニーズを取り入れた業界でも画期的な製品を生み出したのです。
きめ細やかなマーケティング戦略と組み合わせ、日本のみならず世界を視野に入れた拡大を図りました。
それが結実し、一躍グローバル企業の仲間入りを果たしたのです。

こうした実績もあり、社長が会社のオーナーであると、外部からは見られるようになりました。

しかし、実際は先述したとおり株主は分散しており、社長の座が安泰という状況ではありませんでした。
社長の実績の前に、他の株主や元オーナー一族が、特に非難の声を上げる理由を見つけることができなかっただけです。

この状況を社長はよくわきまえており、自分の味方になる第三者を迎え入れました。
その際にも、他の株主や元オーナー一族が納得してくれるような、事業拡大のサポートをしてくれる先を選択されました。
決して本音がわからないように慎重に事を進めたのです。

そしていよいよ事業承継、社長交代の時期を迎えました。
社長がとった承継の形は、一旦は経営幹部として処遇していた他の元オーナー一族の人を後継者に指名し、自分の息子をナンバー2に置くものでした。
次を睨んだ布石でした。

しかし、社長が逝去すると、事が大きく動きました。
他の元オーナーが反旗を翻したのです。

「社長の一族が将来に亘って経営を担っていくのではないか」「乗っ取られるのではないか」という危機感から、社長の息子はその地位を奪われました。
この決定には株式の数の論理がものを言い、期待した第三者の株主は、残念ながら役に立ちませんでした。

業績を大きく伸ばしたという実績も受け継いだ意思も、経営権、株式の数の論理の前では全くの無力でした。

こうした状況を亡くなった元社長はどのように見ておられるのでしょうか。
同社の事業の拡大の時期をつぶさに見てきた者としては、元社長の気持ちを思うとやり切れないものがあります。

しかし、会社の置かれた状況を考えると、こうした結果も必然のこととして、納得してしまうところがあるのも事実です。

担当:事業承継相談員 田口 光春(タグチ ミツハル)

「経営力と経営権は無関係」
「最後は数の論理で会社の姿が決められていく」
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