第34話「相続トラブルの泥沼化は誰のせい?」|事例に学ぶ 事業承継|【公的機関】事業承継なんでも相談所|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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事例に学ぶ 事業承継
事業承継相談員が見聞きした事業承継にまつわる「うそのような本当にあった出来事」をシリーズで紹介していきます。
ただし、みなさまに問題点をわかりやすく考えていただくため、少し脚色しています。その点はご容赦ください。
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第34話「相続トラブルの泥沼化は誰のせい?」

かなり深刻な事態に陥った会社の話です。
創業者一代で業界大手に登りつめたサービス業を営む会社でした。
社長の幅広い人脈が事業の基盤であり、経営はワンマンで行われていました。

社長には子どもが3人いましたが、長男と下の2人は母親が違いました。
長男が小学生の時に最初の配偶者を病気で亡くし、しばらくして新たな配偶者を迎えて子ども2人が誕生しました。
長男と継母の中は決して良いとは言えませんでしたが、個性的な社長の前では表立っていざこざが起きることはありませんでした。

会社の後継については、長男を専務の職につけ、内心では後継者と決めていたようです。
しかし、これも社内外の人たちに相談することなく決め、特にその思い入れを言葉として伝えることはありませんでした。
こうした事例は、実はワンマン経営を行う経営者に多く見られるケースです。

その社長の承継問題は突然訪れました。急逝です。
当然のように、社内は騒然となりました。
社長の承継に対する思いが形となっていたのは、長男を専務にしていたことだけです。
ある程度の株式も専務に譲っていましたが、絶対的な経営権を握るには足りませんでした。
その状況下で専務が社長に就任することになりました。

ここから継母と新社長のバトルが開始されました。
相続をめぐっての争いです。
単なる財産争いならば大きな問題とはならなかったのですが、継母には実子の将来を思って経営にも色気が出たのです。

自社株を含めた財産をめぐって裁判が起きました。
さらに一部外部に出ていた株式を巡って、継母、新社長の間で買い取り合戦が始まりました。
当惑するのは対象となった社外株主です。
創業社長の経営に共感して株主となっていただけに、どちらに肩入れすればよいか見極めがつかなかったのです。

裁判と社外株主を巻き込んだ経営権争奪の争いは数年間続きました。
最終的には継母側の勝利で終わり、継母が会長、継母の子どもが社長になり、長男は会社から追放されてしまいました。

それから数年が経過しました。
継母とその息子の素人による経営がうまく行くはずがありません。
継母は経営権があるので一応取締役会長として社内にいますが形ばかりのもの。
その息子は解任され、銀行から派遣された社長が実質の経営トップとなっています。

こうしたトラブルを抱えると、社内の動揺だけでなく、取引先をはじめとした社外の関係者間でも疑心暗鬼が生まれます。
その結果、経営そのものがうまく行かなくなってしまいます。
創業社長が事業承継に対して、遺言と言う形であっても良いから何か残してくれていたら
こうしたトラブルが起きなかったと、大変悔やまれる事例です。

担当:事業承継相談員 田口 光春(タグチ ミツハル)

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